実現させたい夢はあるのに、「どうせ無理」と、何も行動しないうちから言い訳を並べて、あきらめてしまってはいないか? でも、ダン・カロのこれまでの人生を知ると、どんな言い訳もできなくなってしまう。同時に、この世に不可能なことなど何もない、と勇気がわいてくる。

つかの間の幸福

 1979年11月16日、僕、ダン・カロは、ルイジアナ州ニューオーリンズの近くの町に生まれました。

 家族は当時、父と母、そして二人の兄。どんなに想像をたくましくしても、わが家は決して裕福だとは言えない状態でしたが、「豊かな愛情にあふれている」という表現がぴったりの家族でした。

 父は家族をビデオに撮るのが大好きで、1980年からのわが家の記録ビデオを数えきれないほど繰り返し見せられたのです。

 最初の頃のテープに、僕の1歳と2歳の誕生日が映っていました。

 笑い転げる幼い子どもたち、巨大なケーキ、プレゼントの包装紙をビリビリと破く僕の姿がありました。

全米でのテレビ番組放送後、<br />視聴者から何千通もの感謝の手紙が寄せられた、<br />少年の実話<br />1981年11月16日、2歳の誕生日を祝う

 それを見ていると、とても不思議な感じがします。これらのビデオの映像は、僕の人生のもう1つの選択肢だったかもしれない現実だからです。

 それは、遠い宇宙に永遠に存在し、ほんのたまにだけ、夢の中で逃げ込める場所です。

 そのビデオの中での僕は、かわいらしく、いたずらで手に負えない、ちゃめっ気のある薄茶色の髪をした子です。

 傷1つない、なめらかな皮膚をし、世の中に対する不安などまったくない、きらきらした青い目をしていました。

全米でのテレビ番組放送後、<br />視聴者から何千通もの感謝の手紙が寄せられた、<br />少年の実話<br />無邪気に遊ぶ幼い僕

  それは、愛に満ちたのどかな時代でした。

  しかし、僕のその後の人生を一変させることとなってしまったその日は、何の前触れもなく訪れたのです。