時代に先駆けて1986年からマンション建替え事業に取り組み、三十余年の経験とノウハウを持つ新日鉄興和不動産。 業界トップクラスの建替え実績を支えるのは、検討初期から新しいマンションでの生活に至るまで、継続的に提供される 3層による手厚い支援体制だ。全区分所有者とのコミュニケ―ションを図るという、独自の取り組みについて聞いた。

建替えの満足度を高める独自の支援体制が魅力

新日鉄興和不動産 執行役員
マンション再生総研所長
関口眞人

 新日鉄興和不動産は、1986年から30年以上マンション建替え事業に取り組んでいる。豊富な経験と実績を誇るだけでなく、まず「人と向き合うこと」を何よりも大切にしている。

「私たちは、建替え、修繕・改修、耐震化など、総合的な再生コンサルティングを行っています。建替えありきではなく、区分所有者の皆さまの声を丁寧にくみ上げ、事業に反映させることに力を注いでいます」(新日鉄興和不動産 マンション再生総研所長・関口眞人氏)

 そのために同社では、「再生コンサルティンググループ」「建替推進グループ」「建替支援グループ」の3層による、継続的で手厚い支援体制を導入している。

「まだ先が見えない」段階の管理組合に対しては、再生コンサルティンググループがセミナーや勉強会で情報を提供するほか、東京都の耐震化アドバイザーとして耐震診断や耐震改修の相談まで、幅広くサポートする。

「建替え推進」の機運が高まったら、より専門性の高い建替推進グループや建替支援グループがサポートに加わる。説明会や面談を繰り返し行い、区分所有者の意向を踏まえながら詳細な検討を積み上げていく。建替えが完了し、新マンションでの生活が始まるまで、息の長い支援を続けていく。

 建替支援グループは、専任スタッフが区分所有者一人一人に親身に寄り添い、要望のくみ取りや不安の解消に努める。

「例えば、要望はあるけれど、皆の前で主張するのは苦手だという方は、ご連絡をいただければ建替支援グループのスタッフが駆け付けて、ご意向をお伺いします。皆さんの意向をしっかり生かしていくことで、満足度の高い建替えが可能になると考えます。実際、建替支援グループ設立後の評価として、『専門部署があるのは心強い』との声を幾つもいただいております。このような取り組みの成果もあって、昨年は3件の組合さまの建替え決議成立に貢献できました」(関口氏)

マンション再生セミナーで情報を提供し(左)、「個別面談」で一人一人の意向や不安にじっくり対応する(右)など、手厚い支援体制は高齢者にも好評だ

 本音が言えない、聞けないことがネックとなって、空中分解してしまう建替え事案は少なくない。その点、建替支援グループの専任スタッフが中に入って個別に意向をくみ取れば、全体像が明らかになり、意見が集約しやすくなる。