以前、転職のリミットについて人事の方にアンケートを取ったことがあるのですが、そこで「転職リミットは32歳」という結果が出ました。

 なぜ32歳が転職のリミットだと考えられているのでしょうか?

 その答えは、メンバーとして働く場合「上司が年上」であるギリギリの年齢だからです。それを証拠に、マネージャーとして転職する場合のリミット年齢は38歳という結果でした。通常、上司よりも部下が年上、というのは双方にとってやりにくいだろうと考えるのが当然ですよね。

 でも、現実では32歳を超えても、転職で望む仕事を手に入れている女性はたくさんいます。では、転職リミットのある女性とない女性はいったいどこが違うのでしょうか? 

 この答えを探るべく人事の方にうかがったところ、採用で重視するのはスキルや経験より、意外にも「隣の席にいても違和感がない人」なのだといいます。確かに、私自身も、会社員時代には幾度となく採用面接をしましたが、この「馴染むかどうか」には特に気を配っていたように思います。

 そういう意味で、やはり年齢は「違和感」がわかりやすく出てしまう要素のひとつなのでしょうね。でも、もしあなたが上司や同僚になる人よりも年上であっても、自然に違和感なくとけ込めるなら採用される可能性は十分にあるということです。

豊富な経験値が
あなたの邪魔をする

 年齢によって違和感が出てしまう一番の原因は頑固さでしょう。年を取るということはそれだけ様々な経験をしているということ。新しい意見や手法を自分に取り入れるのに、この経験が邪魔をすることがあるんです。つい自分の経験値にあてはめて考えてしまい、新しい価値観を否定してしまう、というのがそれです。どんなに経験豊かな人でも、いつでも素直に新しいことを吸収できる人、そんな人が転職リミットのない女性です。

 もう10年ほどお料理教室に通っているのですが、初めて先生にお会いしたとき、思わず生徒さんと間違えてしまいました。というのも、先生は母親と同世代なんです。でも、年齢を感じさせない、はつらつとしたオーラが漂っていて、オシャレでチャーミング。10年たった今でも、その印象はほとんど変わりません。

 そんな先生の魅力はスポンジのような好奇心。月に1回集まって、作った料理を囲んで何時間もおしゃべりするのですが、そんな私たちの話を聞いて、「それって何?」「私もやってみよう」と屈託なくおっしゃいます。実際に行動力もあって、どこへでも自分で運転して行き、ファッションもメイクも流行のものを上品に取り入れているところも素敵。先生を見ていると、「もう年だから」「これから始めるには遅すぎる」そんな言葉はできない言い訳だな、と思います。

 女性として生まれたからにはいつまでも若くありたいもの。そのために、まずは自分の中の好奇心を呼び起こしましょう。映画や舞台、コンサートに足を運ぶ、本を読む、ウィンドウショッピングしに街へ出かける。喜怒哀楽を思いきり感じることで心の柔軟体操をしましょう。体と同じ、心もストレッチすることで、どんどん柔らかく軽くなっていきます。リミットフリーな女性こそ、仕事でも恋愛でも、運命のきっかけがつかめる女性です。