住宅ローン金利が史上最低水準になったいま、今後借りている住宅ローンをどうすべきか、かつて「繰り上げ返済・借り換えブーム」の仕掛け人となった、ファイナンシャル・プランナー・浅井秀一が、ズバリ解説します。今回は、「住宅ローンの比較サイト」の落とし穴についてです。

8月も、固定金利型を中心に、
史上最低金利を更新する可能性が高くなった

住宅ローンの「比較サイト」を<br />鵜呑みにしてはいけない浅井秀一(あさい・しゅういち) [ファイナンシャル・プランナー(CFP)] 1964年、愛知県生まれ。福井県高浜町育ち。早稲田大学第一文学部卒業。1988年に学生では初の日本FP協会の会員となる。現在は、主に個人のプランニング業務を中心とする、(有)ストックアンドフローの代表取締役として活躍中。 著書には、借り換え・繰り上げ返済ブームをおこしベストセラーとなった『住宅ローンは、いま借り換え・繰り上げ返済しなさい!』(ダイヤモンド社)、『図解わかる住宅ローン〈2012‐2013年版〉』(新星出版社)、『佐藤江梨子と浅井秀一のいちばんやさしいマネープラン』(日本経済新聞社)などがある。 撮影:安海関二

  金融マーケットが「リスク・オフ」の状況となった7月は、安全資産とされる国債への資金流入が顕著となり、長期金利が引き続き低下しています。
この影響を受け、来月(2012年8月実行)の住宅ローン金利は、全期間固定金利型や固定金利選択型ローン(10年固定)などで、さらに低下することになるでしょう。
  住宅ローンの金利種類や取扱い機関によっても異なりますが、0.05%~0.1%程度の引き下げを筆者は予想します。

  このように、「借り換え」の最大のチャンスがいよいよ始まっているわけですが、どの金融機関のどのような金利タイプで借り換えればよいかというと、マーホームの所在地や、利用できる住宅ローンの種類によっても、状況は変わります。
  少しでも有利な(あるいは、そのように判断される)住宅ローンを借りるためには、情報を集めて比較することが大切です。

  かつては、金融機関の担当者や店頭、チラシなどから情報を得ることが一般的でしたが、昨今では金融機関等のホームページで「今月の適用金利」などが確認できます。
  また、「住宅ローンの比較サイト」といったものも、インターネット上に多く存在します。この連載をお読みの方は、ネットから情報を取るケースが多いでしょうから、これらのサイトをご覧になったこともあるかもしれません。

 電化製品を購入する際などには非常にありがたい「比較サイト」ですが、住宅ローンを比較しているサイトの場合は、いくつかの落し穴があるという点についても理解した上で、参考にする必要があります。