「妄想を構想に」というコンセプトのもと、企業の成長戦略、特に事業開発プロジェクトの支援に強みを発揮する電通コンサルティング。同社ではMDBDという独自の方法論に基づき、電通グループのクリエイティブなリソースを活用しながら、顧客の心を動かす提供価値を創造する取り組みを加速させている。

及川直彦  
電通コンサルティング  ディレクター
代表取締役社長

「かつての日本には、すでに成功した製品やサービスの模倣ではなく、新たな価値を創造しようと構想し、その実現に向かって挑戦する人たちがいました。ところが、ここのところ、そういう取り組みが少なくなってきてはいないでしょうか。」と、及川直彦社長は問いかける。

 経営には構想力が必要だが、いつの間にかそれが失われてしまった。構想とは実は、妄想のこと。思い込みをベースに論理的にシナリオをつくり、「具体」で検証を重ねて成功するまでやり抜く。妄想を構想にし、具現化させる――それが、電通コンサルティングの実践アプローチだ。

「今も日本の優良企業が存在しているのは、かつで、誰かが抱いた妄想が実現したからです。しかし、それらは時間が経つと陳腐化する。だから、常に仕掛け続けないといけません。」(及川社長)

事業開発を支援するMDBD

 電通コンサルティングは、その前身である電通ネットイヤーアビーム創業以来、数多くの事業開発プロジェクトをサポートしてきた。その手法はMDBD(マーケティング・ドリブン・ビジネス・デザイン)という独自の方法論に体系化されている。端的に言うと、自社の強みや資源からだけで発想するのではなく、マーケットに存在する「声」からアイデアを着想し、マーケットとの対話を通じて洗練させていくという手法である。