「結婚」こそ人生最大の分かれ道。ビジネスパーソンにとって、結婚が良くも悪くも変化を生み出す最大の要因なのだ。なぜ、仕事以上に結婚に後悔が集中するのか?前回に続き、6つの後悔のうち残りの(4)~(6)について解説していく。

 連載第1回で、先人たちの後悔が集中する6つの後悔のうち、(1)~(3)をご紹介しましたが、今回は(4)~(6)について解説していきます。

結婚の後悔(4)
「何にお金と時間を使うかの価値観が違った」

 夫婦間で何にお金と時間を使うのかの価値観が違うのも、結婚当初からギスギスしやすくなる問題です。やはり日常生活において、「お金」と「時間」の使い方は、お互いの価値観がもっとも如実に表れることなのです。

 お金については、ちょっとしたお小遣い程度の買い物であれば大した亀裂にはなりませんが、ボーナスの使い道のようなまとまった額が動くときに、さまざまな齟齬が生まれます。

 今のようなご時世だと、ほとんどの家庭は家計に余裕がないですから、限られたお金を旅行に使うのか、子どもの教育費に使うのか、住宅ローンに回すのか、クルマの買い替えに使うのか、それとも将来に対して貯蓄するのかといった使い道で意見が分かれます。住宅ローンや子どもの教育費、将来への貯蓄というのは、いったいどのくらい用意しておけばいいのかは、その人の価値観や人生観に関わる問題です。

 今を楽しみたいから、貯金はしないで、好きなことに使うという生き方だってありますし、逆にそうした無計画な人生を忌み嫌う人も多くいます。夫婦間で、今を楽しみたい派と将来に備える堅実派に分かれてしまうと、そのギャップを埋めるのは、かなり困難であることを先人たちも後悔しています。

 何に時間を使うかも、夫婦関係に亀裂を生みやすいテーマです。一人の時間やぼーっとする時間をものすごく大事にしたい人もいれば、それこそ無駄な時間だから何かしなければもったいないと考える人もいますし、週末に家でゆっくりしたいインドア派も、とにかく外に出たいアウトドア派もいます。

 独身時代は、お金も時間も自分の好きなように使えたのに、結婚すると、それは事実上夫婦二人のものとなり、これまで以上に有限な資源という意識を持つはずです。そのことが束縛感につながったり、ともすれば犠牲と感じる人もいて、後悔になりやすいと諸先輩は語っています。