現在、さまざまな保険が発売されているが、暮らしのリスクをすべて保険でカバーしようとすると、結局はその保険料で家計が圧迫されてしまう。そして貯蓄ができないと、ちょっとした躓きに対応できず反対にリスクを高めることになるのだ。新刊の『だまされない保険~安心できるおトクな商品はこれだ!』より、今回はこども保険について抜粋して紹介する。

 「相続対策に使える保険」「失業しても教育費の心配をしなくてもいい保険」「墓石専用の保険」など、手を替え品を替え、次々と新しい商品が発売されている。複雑でわかりにくいが、どんなものでも基本は次の三つに分類される。
●第1分野……定期保険、終身保険、年金保険、養老保険、こども保険など、人の生存や死亡に対する保障。主に生命保険会社が扱っている。

●第2分野……火災保険、自動車保険、個人賠償保険、所得補償保険など、偶然の事故によって生じた損害に対する補償。主に損害保険会社が扱っている。

●第3分野……医療保険、がん保険、介護保険など、人の病気やけがに対する保障。第1分野と第2分野の中間に位置しているので、第3分野の保険といわれており、生命保険会社、損害保険会社の両方が扱える。

 さらに、2006年にできたミニ保険(少額短期保険)は、この三つの分野を扱っており、大手生保や損保が扱えないニッチなユニーク商品も発売されている。

教育費は「こども保険」でためるのが正しいのか

暮らしのリスクをすべて保険でカバーしようとするのは間違い!

 日々の暮らしは、病気やけが、大黒柱の死亡のほかにも、さまざまな小さなリスクに囲まれている。特に労働環境が悪化している今、失業は他人事ではない。万一に備え「所得補償保険」に入っておこうかと思うこともあるだろう。

 しかし、ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんは「暮らしのリスクをすべて保険でカバーしようとすると、保険料で家計が圧迫されてしまう。貯蓄ができないと、ちょっとした躓きに対応できず、反対にリスクを高めることになる」と警告する。本来、保険は地震や火災、一家の大黒柱の死亡など貯蓄ではカバーできないような大きなリスクに備えるものだ。魅力的な保険商品は発売されているが、本当に保険でカバーしなければならないリスクなのか見極める眼を持ちたい。