ベスト&ロングセラー『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』の再読の最終回は、本書2章のまとめに当たる部分をご紹介。「売れる営業」になるために必要な10の力とは?

さらに必要なYESの素

 外見が好印象になっても、対人対応能力がないと結局は売れないのは当たり前。

 今度は、相手の話を一生懸命聞く姿勢や態度、聞いた話をきちんと分析できる能力、そして相手の問題点を聞き出す能力、状況を見る観察力などが必要になってくるのです。

1. 聞く力
「ねぇちょっと、人の話聞いてる?」って聞きたくなるような態度の人とたまに遭遇します。その人の気の緩みと甘えからくる行動なら、意外に身近な人もよくやります。かくいう私も。そう、私たちはふだんからそんなに人の話を一生懸命聞いていないのです。

 セミナーを受講している人に、「話すのと聞くのとどちらが好きですか?」と聞くと、三分の二の人は「私は聞く方が好きです」なんて言いますが、そんなのウソ。

 だってね、人の話を聞くのは疲れるのです。つまらない話、自慢話、興味のない話、専門用語ばかりで気取った話などなど、聞く方が頭も気も使います。だから意味のない話まで一生懸命聞きなさい! なんて拷問のようなことを言うつもりはありません。

 ただ、忘れてはいけないのは「人は自分の話を聞いてもらうことが好き」であり、「自分の話を聞いてくれる人が好き」であるという法則です。だから、とりあえずは最低でも一生懸命聞いているように見えないといけないのです。

 まずは、ちょっと自分の「聞き方」を確認してください。人の話を聞くとき、ちゃんと「聞いています」というアピールを忘れないこと。前を向いてきちんと座ることです。椅子の背もたれに寄りかかったり、足を組んだりして姿勢を崩してしまう人がいますが、いかにもいいかげんに聞いているという印象を与えてマイナスです。

 あいづちを打つこと。うなずくこと。相手の目を見ること(このときの目は興味津々の子どものようなきらきらした目がいいかと……)。あとは話をさえぎらないで最後まで聞いてください。それから話の分析をしましょう。

 あいづちの打ち方にも注意!「うん、うん……」と言ってしまう人が多いですが、「はい」「なるほど……」「そうですね」と、歯切れよくきちんと言葉を使うか、内容によっては黙って落ち着いてうなずくこと。「はいはいはい……」とやたら繰り返したり、せわしなく首を振るようにうなずくのはNGです。話している方は、なんだか自分がバカにされているように感じてしまいます。

 いきおいがあって積極的なタイプの人にありがちなのですが、「伝えたい」という思いが先走りし過ぎて、お客さんの話を聞くことができずに、自分ばかりしゃべってしまう人がいます。こういう営業マンには、「聞いて、聞いて、聞いて、話す」というリズムを身につけるように練習してもらいます。