東京の大学か地元の大学か?国公立か私立か?共学か女子大か?大学選びに悩みも尽きないが、実は学部・学科選びもおろそかにはできない。今回は、主に文系志望者の迷いがちなポイントについてご紹介していこう。

受験生が知りたい基本のき 1
「国際系、学際系は期待できるか?」

 大学生き残り時代ということで、新設学部・学科ラッシュが続いている。

 そこで最近目立つのは、頭に「国際~」がつく国際系学部・学科と、既存の学問分類をまたいだ学際系と、医療・福祉だ。
 医療・福祉系については、将来その方面に進みたい受験生が集まるのでわかりやすいのだが、国際系と学際系には「なにか面白そうだから」「新しい発想で将来性がありそうだから」という漠然とした期待感で志望する学生が多い。
 既存のたいていの学問が硬直して魅力薄になっているのは事実。だが、だからといって新しい学部・学科がバラ色かというとそれも疑問だ。

 特に、「学生を集めたいがために」急場しのぎで学部・学科を新設したようなところでは、ロクな教授陣も揃っておらず、ウリ文句は魅力的だが具体的なカリキュラムを見ると中身なし、といったケースがかなりある。
 IT関連の講義の充実をやたら強調しているところなどは、眉に唾をつけたほうがよいだろう。

受験生が知りたい基本のき 2
「興味のある学部・学科がない場合は?」

 「これといってやりたい勉強がないのだけれど、何を基準に学部を選べばいいのだろう?」

 こうしたある意味「しょうもない」疑問を抱く受験生は、実のところたくさんいる。高校までの勉強は、「好き嫌いは別として、やらされるもの」ばかりだったのだから、仕方がないところだ。

 そんな受験生の学部・学科選びは、ひとまず「消去法」で取り掛かろう。「興味のあるもの」はなくても、「興味のないもの」「やりたくない勉強」はわかるはずだ。まずそれらを消去して、残った学部・学科から検討してみることだ。

 「就職に有利らしいから」と法学系、経済・経営学系を消去法で選ぶ受験生も多いが、それでもかまわないだろう。ただ、これらの学部・学科の勉強内容にも、それぞれの特徴がある。六法全書を開いた途端にあの堅苦しい文章の羅列に吐き気を覚えるような人間が法律学科を選ぶべきではないし、数学アレルギーの強い人間が経済学科を選べばおそらく落ちこぼれる。
 それなりの内容は把握しておくことが大切なのだ。