「これは、日本が世界に誇れる文章作成法だ」と神田昌典氏が評する『6分間文章術』。著者の中野巧氏が10年間の文章メソッドを結晶化させたものだ。
トヨタ、ソニー、三菱東京UFJ銀行、DeNA社員だけでなく、大学教員、女子高生、小学生からも続々驚きの声が寄せられている。
文章を書く作業は、どうしたら楽しくなるのだろうか?

文章がうまくなる一番のコツ

 びりびりびり―――っ!!

 夜書いたラブレターを、朝読み直して破り捨てた思い出がある人は、きっと少なくないでしょう。

「夜書いたラブレターはそのまま出すな」というある意味都市伝説化したフレーズがどうして生まれたのでしょうか?

 それを突き詰めていくと、夜には副交感神経が優位になる、つまりリラックスした状態になり、理性よりも感情が優位になりやすく……

 という説明はできるのですが、カンタンに言ってしまえば、感情(気持ち)の問題。

 気持ちがセンチメンタルな夜にラブレターを書けば、それがそのまま文章に現れるので、理性が働き始めた朝に読み直したときに恥ずかしくて、沸かしたヤカンのように顔が真っ赤になります。

 それだけ、文章を書くときの感情(気持ち)は、そのまま文章に投影されるということです。

 カンタンに言ってしまえば、
●悲しいときに書いた文章は、悲しい文章になり、
●楽しいときに書いた文章は、楽しい文章になるのです。

 私は、文章がうまくなる一番のコツが何かと訊かれれば、
【文章を書くのが楽しくなること】だと答えます。

 なぜなら、文章を書くこと自体が楽しくなれば、どんどん書きたくなります。すると、あなたの文章は書くほどに洗練されていき、その変化がさらなる楽しさにつながっていく、という好循環が回り始めるからです。

 小学生がエンパシーチャートを使って卒業文集を書いた直後に担任の先生からいただいたメールを読むと、「楽しさ」が文章に大きな影響を与えることがよくわかります。

 中野さん!午前中自分のクラスでやりました。すごかったですよ!!子どもたちの才能に涙が出そうになりました。ワクワクどころじゃなかったです。
 例年の卒業文集と比較すると、格段にいいですね。未来に向けての決意がしっかりと書けています。読んでいてワクワクしてくる文章もありました。
 ある生徒の卒業文集では、「中学では、テニス部に入って伊達公子さんのようになりたい。京都大学に入って、山中教授のもとで医学を勉強したい。iPS細胞でも治せない病気が治せるものを発見したい」といった彼女の想いがとても伝わる文章ができていました。ありがとうございます。