同じ内容なのに、伝え方で「イエス」になったり「ノー」になったり。でもコツを知っているだけで誰もが、「イエス」をもらう可能性を上げることができます。今回はDJポリスのアナウンス。サッカーW杯予選を突破した日、サポーターで大混雑の渋谷交差点にて行われた、見事なおまわりさんのアナウンスに隠された秘密です。

お見事!なアナウンスとその秘密

 その日の渋谷交差点は、異様な盛り上がりになっていました。サッカーW杯予選。0-1で負けていたところからの、ぎりぎりのロスタイムで本田選手のPKから日本は見事ブラジル本戦へのチケットを手に入れたのでした。渋谷のスクランブル交差点では、とてつもない人数のサポーターが横断。すれ違いざまに知らぬ人同士でもハイタッチをくり返し、騒然としていました。普通でしたら交通マヒになってしまう状況。ですが、DJポリスのアナウンスがこの興奮状態のサポーターたちを動かしたのです。

 「サポーターのみなさんは12番目の選手でもあります。ルールとマナーを守ってフェアプレーで今日の喜びを分かち合いましょう」

 このお見事アナウンスは、Twitterでも広くとりあげられ、ニュースでも話題になりました。普通なら、以下のようなアナウンスをしていたはずです。

 「ルールとマナーを守りましょう」

 これはおまわりさんの求めるストレートなお願いです。ですがこう言ったとしたらサポーター集団は、何も感じないか、かえって反感をもたれたかもしれません。DJポリスのアナウンスには秘密がありました。そこには、「ノー」を「イエス」に変える技術が使われているのです。