基本を徹底的に理解して「戦略的な思考を仕事に活かす」。経営戦略論を駆使することによって、リアルな仕事の難問を解決するためには、何が必要か。『ストーリーで学ぶ戦略思考入門』を執筆した荒木博行氏による提言。

戦略思考を鍛えるために
有名なフレームワークを深く知ろう

戦略思考は、使いこなせなければ、<br />知らないのとまったく同じ。荒木博行(あらき・ひろゆき)
グロービス経営大学院 教授、株式会社グロービス ディレクター
慶應義塾大学法学部卒業、スイスIMD BOTコース修了。住友商事株式会社を経て、グロービスに加わり、法人向けコンサルティング業務に従事。現在は、グロービス経営大学院及びグロービス・マネジメント・スクールにて企画・運営業務・研究等を行なう傍ら、グロービス経営大学院及び企業研修における戦略系、及び思考系科目の教鞭を執る。

 世の中には数多くの経営戦略のフレームワークが存在する。その中でも「3C分析」や「バリューチェーン分析」「5つの力分析」あるいはマイケル・ポーター教授の「3つの基本戦略」などの定番のフレームワークは、定番ゆえに汎用性も高く、また長年にわたって実践の場で揉まれているため、その効果的な使い方や「使用上の注意点」についても知見がたまっている。

 経営教育に長く携わっている筆者らは、過去のさまざまな経験から、これからビジネスリーダーを目指す若手やミドルにとっては、さまざまな流行りのフレームワークに飛びつくよりも、こうした基礎的なフレームワークをしっかり使いこなせるほうが、実は結果を出す早道であると考えている。