英語が得意な人も、会計が得意な人も、会計×英語となると、ちょっと自信がなくなるもの。厳選した単語を徹底的に掘り下げて解説し、好評を博している『会計プロフェッショナルの英単語100』の著者のお二人に、Tipsとも言える会計英語の意外な知識を紹介してもらう。

Sales vs Revenue vs Profit

「収益」と「利益」の違いをきちんと説明できますか? この2つの言葉は日常会話ではかなりあいまいに使われていますが、会計の世界ではまったく別の意味になります。これも英語で見ると、両者の違いがはっきりわかるでしょう。収益=Revenue、利益=Profit。式で表すと次のようになります。

Revenue(収益) − Expense(費用) = Profit(利益)

 「利益」という表現が日本語では響きが強すぎるきらいがあるので、「利益を高める」と言うべきところを、「収益力の向上」などと和らげることがよくあります。でも、それでは「売上を増やしたい」と言っているだけで、黒字なのか赤字なのかはさっぱりわかりません。Profitを語りたいなら、「利益」であって「収益」ではないのです。
 それでは、収益(Revenue)と売上(Sales)の違いは何でしょうか。収益とは会社に入ってくるすべてのものを指します。その大部分は売上(Sales)ですが、厳密には受取利息(Interest income)、受取配当金(Dividend income)など、売上とはならない収益も含まれています。このことから、両者の関係は、以下のように表せます。なお、Revenueの中でもSalesなのだということをより明確にするため、売上高のことをSales revenueと呼ぶ場合もあります。

 ただし、日本語でも売上のことを時おり(営業)収益と呼ぶように、Revenueも「売上」を意味することばとして、PLのトップに現れてくることが多々あります。英国では、売上のことをTurnoverと表現することもあるので、一緒に覚えてしまいましょう。