お金を得るというのは、私たちにとって、大いなる動機づけとなる。

 口では、「私は、お金儲けのために仕事をしているわけではありません」と公言してはばからない人は、少々、欺瞞的なのかもしれない。お金がほしくない人など、いないからだ。一生懸命に仕事をしている人ほど、きちんとそれを評価してもらいたい、そして給料をあげてもらいたい、と思うものである。よほどのスーパーリッチでなければ、お金に執着するのは当たり前である。

「お金にこだわらない」
という言葉を信じるな

 相手のことをよく知りたいのなら、「あなたは、どれくらい報酬を望みますか?」と聞いてみよう。

 「私は、お金にこだわりません」という人は、ウソをついているか、仕事ぶりにやる気が見られないかのどちらかである。仕事にやる気がないからこそ、給料もそれほど気にしないと答えているのかもしれないからだ。

 最近の若者は、お金への執着が薄いといわれる。何が何でもお金を稼ぎ出してやろうという意欲がないというのだ。最低限の給料が保証されていれば十分。そういう考えの人が若者を中心に、40代、50代の人にも増えているという。しかし、そういう人に限って、仕事に対するやる気がなく、生命エネルギーもかけている。

 「僕は○歳までに絶対に大金持ちになってやるんだ!」というお金への執着があったほうが、生命エネルギーも豊かである。目を輝かせ、どんな仕事も嬉々として実行する。お金を稼ぐためなら、彼は、何でもやるだろう。

 お金への執着は、大きなモチベーションになるのである。あなたが人事担当者なら、こういう人を採用したほうが、会社としてはずっといい。やる気があるかどうかは、お金への執着を見れば一目瞭然なのである。