215万戸を超える住まいづくりの実績と医療・介護分野での豊富な実績を持つ積水ハウス。サービス付き高齢者向け住宅事業にも力を入れ、立地環境や市場ニーズ、事業者の運営方針に応じて最適なプランを提案している。同社が特に首都圏で力を入れている最新の事例と共に紹介する。

 積水ハウスが長年にわたる土地活用・戸建て住宅建築のノウハウを生かし、現在注力しているのがサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)だ。全国の専門事業者とも連携しながら、市場調査から事業計画の作成、運営体制づくり、入居促進業務まで、サ高住事業に参入する土地オーナーをバックアップしている。ここ3年間では1年当たり60〜90棟のペースで受注しており、サ高住の登録数ベースで166棟供給している(2013年11月末現在)。

高齢者向け住宅
で豊富な実績

 積水ハウスでは​1​9​8​4​年より、「生涯住宅」というコンセプトを打ち出し、年齢を重ねても快適に暮らせる住環境づくりを追求してきた。床の段差解消や手すりの設置といったユニバーサルデザインについては、60年代の創業時から研究を開始した。2012年には、同社独自のユニバーサルデザイン基準「SH‐UD」を策定し、より高度な提案を行える専門のプランナーの養成にも力を入れている。

 06年には、クリニックなどの医療系施設や高齢者向け住宅などの介護系施設に特化した「ケアリング推進事業部」を設立。現在は「医療・介護推進事業部」として体制を強化し、この分野の開拓を積極的に進めている。

 サ高住の分野では、12年、業界に先駆けてサ高住専用商品「セレブリオ」を発売し、翌13年には同商品の3階建てモデルを発売した。また住宅の建設だけでなく、首都圏ではグループの積和不動産が「グランドマスト」ブランドで、積和サポートシステムが「Cアミーユ」ブランドで、医療法人・介護事業者と連携しながらサ高住の運営に携わっている。

 そんな同社の高齢者住宅に関する豊富なノウハウを結集させた施設ともいえるのが、昨年10月に神奈川県横浜市にオープンしたサ高住「シノン青葉台」だ。同物件を担当した積水ハウス特建支店営業課の森岡天馬課長はこう語る。

「サ高住のビジネスを継続していくためには、ニーズを見極めることが大切です。当社では、地域の人口分布や家族形態、競合の状況、入居率など、徹底した調査を行い、市場のニーズや敷地条件に合わせた最適な事業プランをご提案しています。シノン青葉台では、介護付き有料老人ホームや介護型サ高住といった先行物件が多いこの地域の特徴を踏まえ、『元気なアクティブシニアのための住宅』という新たなニーズを喚起するプランをご提案しました」