先日フォーブス(Forbes)社から発表された2014年世界のベンチャー投資家トップ10のうち、2名が所属するセコイア・キャピタルは米国シリコンバレーの有名ベンチャーキャピタル(VC)だ。このVCが注目し投資するイスラエル企業について紹介する。

イスラエルと「セコイア・キャピタル」

 イスラエルには、世界各国のベンチャーキャピタル(VC)が集まり、米国、欧州、アジア各国から投資が行われている。本稿では、フォーブス社が選ぶ2014年の世界のベンチャー投資家TOP10(参照:The World's Top 10 Venture Investors For 2014)にジム・ゴッツ(Jim Goetz)氏、ダグラス・レオン(Douglas Leone)氏の2人が選出されたセコイア・キャピタルに焦点を当て、イスラエルとの関係をご紹介する。

 「セコイア・キャピタル」は、米国シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタルファーム。主な投資先として、アップル(Apple)、オラクル(Oracle)、シスコシステムズ(Cisco Systems)、ヤフー(Yahoo!:米国)、ペイパル(PayPal)、グーグル(Google)、ユーチューブ(Youtube)、など、テクノロジー業界にいる方であれば、誰もが聞いたことがある会社ばかりが並ぶ(参照:CrunchBaseセコイア・キャピタル投資先一覧)。

 セコイア・キャピタルは、2014年2月19日フェイスブックに約160億ドルで買収されたメッセンジャーサービスのワッツアップ(WhatsApp)社へ投資していた、唯一のVCでもある。2014年世界のベンチャー投資家TOP 10に選ばれたジム・ゴッツ(Jim Goetz)氏は、出資と同時にワッツアップ社の取締役に就任していた。

 ゴッツ氏は、イスラエルのスタートアップをこれまで3社買収し、セコイア・キャピタルの投資先でもあるジャイブ・ソフトウェア(Jive Software NASDAQ:JIVE)社の取締役も務める。同社は、ドキュメント管理ツールのOffisync社を買収し(2011年5月)R&D拠点としたのを皮切りに、タスク管理ソリューションのProducteev社(2012年1月)、ソフトウェア管理ツールのStreamOnce社(2013年1月)を相次いで買収、イスラエルのスタートアップ企業の技術をうまく取り込んでいる。

 また、2014年3月24日、ゴッツ氏が取締役を務め、セコイア・キャピタルの投資先でもあるファイヤーウォール関連のパロアルト・ネットワークス(PaloAlto Networks)社は、ゼロデイアタック対応向けのサイバーセキュリティのCyvera社を約2億2000万ドルで買収したばかりである。ゴッツ氏は、イスラエルのテクノロジー業界との関係が深いようだ。