ビジネスモデルよりも技術伝承力
アップルの本当の強さとは何か?

「アウトソースを行っているにもかかわらず、意外にコストが下がらない」

 こんな愚痴を頻繁に耳にする。

「アップルは技術がすごいのではなく、ビジネスモデルがすごいのだ」

 こんな話もよく聞く。

 今回は、世界で最も注目されているデジタル家電企業・アップルの「強さ」について分析したい。同社はビジネスモデルも凄いが、実は超ノウハウ集団なのである。

 最初に面白い話を紹介したい。読者の中にはピンと来る人もいるかもしれないが、アップルが手がけるある製品の「初代機」についての開発秘話だ。これは、バッテリーをソニーが担当していた。「ソニーがバッテリー?」と思う読者もいるかもしれないが、実は世界で初めてリチウムイオン電池を商品化したのはソニーだ。

 ソニーは、部品メーカーとしても秀逸だ。CMOSなどの画像センサーは、ライバルのサムスンと比べて3倍以上のコストがかかっているにもかかわらず、「iPhone5」「Galaxy」などのスマートフォンでは標準搭載となっている。

 筆者は、イノベーションは部品や素材から起きると考えている。ソニーはもっとデバイス事業、B2B事業に経営資源を投じても良いとも思っている。

 話を元に戻そう。前述の「初代機」を開発する際に、アップルからソニーに対して大幅な軽量化の要望が出た。デザイン性を高めた端末であったため、肉厚をもっと攻めることが求められた。