なぜ労働者はしんどいのか? なぜ働いても働いても給料が上がらないのか? その答えは、150年前に資本主義の仕組みを解き明かした『資本論』にあった。資本主義のルールを知るには、まず商品の価格の決まり方を理解することから始めよう。

労働者は、なぜしんどいのか?
『資本論』にその答えがある

 日本経済は、失われた20年とも言われる不況に苦しんでいます。2012年12月、自民党安倍政権が誕生し、いわゆる「アベノミクス」がスタートしました。一部には景気が回復してきた“証拠”があるようですが、国民の大半はそれを実感していません。

 一方で、やらなければいけない仕事は、後から後から湧いてきます。日本は経済先進国です。中国に抜かれたとはいえ、世界3位の経済大国です。豊かな国のはずなのです。

 しかし、その「豊かな国」で生きるぼくらは、その豊かさを実感していません。むしろ時代が進むにつれて、さらに仕事が長時間になり、しんどくなっているような印象さえも受けます。これは一体どういうことなのでしょうか?

『資本論』にその答えがありました。