「出張用のホテルの予約」という
簡単で難しい問題

 出張者の立場でこれまでの出張を振り返った時、いちばん手間がかかったのはホテル選びではなかったか。

 航空券は航空会社が指定されていたり、出張先への直行便や効率の良い乗り継ぎ便の選択肢が限られるため、現地空港の到着時間から逆算すれば簡単に決まる。

 だがホテルは違う。迷った時は「ヒルトン」「マリオット」などの世界的なチェーンホテルを選べば良さそうなものだが、実はヨーロッパでは88%、アジア/オセアニアでは95%が独立系ホテルだという。北米でさえおよそ半数が日本人出張者にはあまり名前を知られていない独立系で占められている。

 さらにホテル選びは出張の目的であるビジネスにも影響を与える。交通の便が良く、設備の整ったビジネスセンターを備え、疲れを癒してくれるリラクゼーション施設があり、仕事の意欲を高めてくれる美味しいレストランを持ち、しかも低価格なホテルが理想だが、これまでこうした情報を効率的に、国内外の情報を得ることは難しかった。

 これまでのように旅行代理店に依頼した場合は、一般的に旅行関連の予約・発券システムであるGDSに登録のあるホテルを予約することが多い。オンライン予約システムを利用した場合は、選択肢が広がるものの、必ずしも企業の出張ニーズが反映されているホテルの選択肢や料金ばかりではなく、管理者から見ても、収納されたデータを持つことができる状況にはならない。

 出張者が抱えるホテル予約という簡単なようで難しい問題に解決はあるのだろうか?

ドイツ大手のオンライン予約サービスが
日本に進出してきた

 ここで試してみたいのが、今年5月に日本進出したドイツのホテル予約サービスのHRS(ホテル・リザベーション・サービス)だ。

 HRSはドイツで生まれ世界で育ったホテル・トラベル・マネジメントサービス大手。独立系ホテルが多い欧州に多くの拠点を持つだけに、これまでは、なかなか得ることがむずかしかった企業向けのホテル情報を豊富に蓄積している。アジアへも12年前に中国上海オフィス、次いで香港オフィスを開設しており、各国の独立系ホテルとの太いパイプを持つ。

 契約法人4万社以上(そのうち多国籍企業は1000社以上)、販売パートナー8000社以上、旅行会社30万社以上にのぼり、サイトを通じて予約できるホテル・宿泊施設は190の国・地域を網羅し、その数は25万軒。そして予約サイトは32カ国語に対応し、PV(閲覧数)は月間1200万以上、利用者は年間8000万人という、このビジネス出張のホテル手配の分野では桁違いの規模と実力を持つ。

豊富な画像と口コミ評価
独立系ホテルでも、選ぶためのヒント多数

 実際にHRSのサイトを見てみよう。企業向けのサイトは契約後に個別にカスタマイズしサービスを提供するため、通常のサイトからは法人料金などを閲覧することはできないが、ホテルの選択肢の広さやサイトの使いやすさを確認するには十分な内容が掲載されているので、一度見てみることをおすすめしたい。

 サイト表示とホテルそれぞれの情報は日本語化されており「目的地/渡航先」「チェックイン/チェックアウト」等の条件を入力するだけでいい。必要であればホテルクラス(星の数)や目的地までの直線距離など複数の条件を入力して検索すると、条件に一致するホテルがリストの先頭に表示され、次点以降のホテルが並ぶ。

 各ホテルにはHRSを通じて宿泊した500万人の利用者の評価が星の数と点数で表されている。

 ホテル画像や利用者の評価をチェックすることで、宿泊経験のないホテルでも快適な滞在がイメージできるだろう。HRSのスタッフが世界中のホテルを直接訪問(年間12万5000回に及ぶ)していることも、サイトの信頼性を高めている。

 サイトを利用してみて気がつくことはホテル内外観を表す鮮明な画像や動画が多数(画像390万枚、動画3万軒)配されていること。

 独立系ホテルの場合、出張者はホテル名だけではグレードや施設の状況がイメージしにくいため、鮮明な画像や動画は宿泊先を決めるための重要な手がかりとなる。