1万7200平方メートルという広大な敷地には、手づくりの木製アスレチックをはじめとするさまざまな遊具、畑や水田、ビオトープ、プラネタリウム、本格的な陶芸の窯、茨城県から移築した250年前の武家屋敷などがあり、園児たちの遊び心や多様な興味を刺激する。

現代の親のニーズをとらえた<br />認定こども園が増えない理由
都会では考えられない広大な敷地にさまざまな子育て施設が配備されているあかみ幼稚園(上)。地域の子育てママたちが運営し、集うカフェもある(下)

 栃木県佐野市にある認定こども園あかみ幼稚園は、じつに恵まれた環境を誇る。それでいて保育料は地域でも最安だという。

 認定こども園というのは、保育園と幼稚園の垣根を越え、「保育および教育を一体的に提供し、地域における子育て支援を実施する施設」として都道府県から認定された園のこと。

 あかみ幼稚園の敷地内には幼稚園と、認可外保育園(4月より認可保育園になる)の二つがあり、親が働いている、いないにかかわらず0~5歳の子どもを6年間預かっている。

 さらに敷地内の多くの施設を地域に開放しており、在園児以外の親子も受け入れている。たとえば入園式などを行うホールでは、助産婦さんを招いての子育て教室や、バレエ、造形、ヨガ、英語遊びなどの各種オープン講座が連日開かれている。

 敷地の一角では、地域の母親たちの運営するカフェがあり、手づくりの衣類や小物の販売なども行う。まさに地域全体の子育てをサポートする総合施設の機能を果たしているのだ。