アメリカ・ソルトレイクシティを本拠地とする世界規模の人材コンサルティング会社、O・C・タナー・カンパニー。同社が保有する世界最大規模のデータベースから明らかになった「いい仕事」をする人の極意とは? 9月19日に刊行された書籍『500万人の成功体験からわかった 「いい仕事」をする人の45の極意』から、内容の一部を紹介していく全4回の連載です。

 名前を知らない人などいない超有名起業家、世界的企業のエグゼクティブから、名もない営業マンや病院の清掃員、カメラマンやデザイナー、スポーツ選手まで、ありとあらゆる職業を網羅した500万件を超えるデータベース。そして、200人に対する長期にわたる徹底インタビュー。かつてない規模で行われた大規模調査から見えてきた真実とは――

「いい仕事」をする人の極意1:今あるものから「何か」を取り除く

「現状を改善したい」「新しいものを生み出したい」と考える時、たいていの人は「何か新しい要素を付け加えよう」と考える。ところが、実際に「いい仕事」をやってのける人は、新しいものを付け加えるよりも、求められていないものや煩わしいものを取り除くことのほうがむしろ大切だと知っているものだ。

 15世紀の大発明家レオナルド・ダ・ヴィンチは「簡潔さこそ究極の洗練である」と言ったが、まさにその通り。「MP3プレーヤー」「ペーパーレス決済」「ノーアイロンのワイシャツ」「キーボードのないスマートフォン」……考えてみれば、今、身のまわりにある便利なものは「付け加える」より「取り除く」ことによって生まれた。