“経営のカリスマ”小山昇氏の最新刊『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』でも取り上げられ、auショップで「新規契約件数日本一」(2009年度)の「エヌエスケーケーホールディングズ」(兵庫県)。
賀川正宣会長と指導500社中100社が「過去最高益」、13年連続「倒産企業ゼロ」という小山昇氏の初対談から、逆境から会社を変える突破口を紹介する(構成・藤吉豊)。

なぜ、新規契約件数「日本一」になれたのか?

【第9回】<br />数々の逆境にめげずに<br />auショップ新規契約件数「日本一」&売上10倍<br />をどうやって達成したのか?小山 昇(こやま・のぼる)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年生まれ。12年連続増収増益、日本で初めて「日本経営品質賞」を二度受賞(2000年度、2010年度)。「指導500社中100社が過去最高益」「13年連続倒産企業ゼロ」を達成。全国各地で年間240回の講演・セミナーを開催。現場の叡智が詰まった内容は、全国各地から「今日から仕事に役立つ」と現場見学会参加者があとをたたない。机上の空論は一切なし!実務中心の内容が口コミを呼んでいる。

 ……「株式会社NSKK」(通信事業など/賀川正宣会長/本社:兵庫県神戸市)は、「auショップ」や「ソフトバンクショップ」を運営しており、「auショップJR六甲道店」は、全国で2300店舗ある「auショップ」の中で、「新規契約件数日本一」(2009年度)にも輝いたそうですね。

賀川 まさか取れへんやろと思って、「日本一になったら、ビールかけやな」と冗談を言ったら、従業員がガンガンやる気を出して(笑)、その年、日本一を獲得できたんです。

 ……実際に、「ビールかけ」をしたのですか?

賀川 神戸市にある「神戸サウナ&スパ」を借りて、従業員約80名でビールかけをしました。めずらしかったのか、テレビ局が取材にきていましたね。

 ……「auショップJR六甲道店」が「新規契約件数日本一」を取れた理由を、賀川会長はどのように考えていますか?

【第9回】<br />数々の逆境にめげずに<br />auショップ新規契約件数「日本一」&売上10倍<br />をどうやって達成したのか?賀川正宣(かがわ・まさのり) 1968年生まれ。22歳で創業し、自ら営業、経理を務めた会社は現在100名を超えるグループ会社に成長。通信、飲食、自動車販売、化粧品製造販売、経営サポート事業など多岐にわたる事業を展開。「環境整備」により、10年前よりも売上を10倍にした。グループの中核事業である通信サービスを提供する株式会社NSKKが運営する「auショップJR六甲道店」で新規契約件数日本一(2009年度)となる。【エヌエスケーケーホールディングスHP】 http://www.nskk.ne.jp/

賀川 ズバリ、マネをしたからですね。日本一を取るために、「前年度日本一」になった店舗を視察したんです。奈良県にあるそのお店は、田園の中にぽつんと立っていて、立地に恵まれていたわけではありません。それなのに、新規顧客を増やしていたんですね。不思議に思った私は、そのお店の経営者(Aさん)に会いに行って、勉強をさせていただきました。

 ……いわば賀川会長は、ライバルですよね。それなのにAさんは、ノウハウを公開してくれたのですか?

賀川 お店のしくみを、包み隠さずすべて教えてくれました。おそらくAさんは「教えてもどうせマネできない」と考えていたんだと思います。

小山 これまでもAさんのところには、たくさん経営者が学びにきたそうです。けれど、どの経営者もマネすることができなかった。なぜなら、Aさんのしくみは、それほどレベルが高かったからです。ところが、賀川会長は、他の社長が誰一人できなかったこと、つまり、Aさんのしくみをパクることをやってのけた。Aさんのすべてを、そっくりそのまま、自店舗のしくみとして取り入れることができたんです。

賀川 Aさんの趣味がサーフィンだと聞けば、サーフィンを始める。Aさんと同じコーヒーメーカーを買って、Aさんと同じ豆を挽く。そこまで徹底してマネしましたね(笑)。