歯に衣着せず常識を覆す方法で数々の子育ての難問を解決。「子育てブラック・ジャック」という異名を持つ臨床心理士/行動分析学者の奥田健次氏。
『NNNドキュメント』や『スッキリ!!』で「今、最も注目されている教育者」と紹介以降、相談件数は激増。年間相談件数のべ1000件以上、これまでの累積相談件数は数万件以上にのぼる。最近は海外からも相談依頼がきている。
このたび、『世界に1つだけの子育ての教科書―子育ての失敗を100%取り戻す方法』刊行直後の著者に、「子育ての失敗は100%取り戻せる」という新しい子育て法を聞いた。(インタビュアー:本書に登場する「菜子(さいこ)」)

子育ての失敗は100%取り戻せる!

 突然ですが、あなたは子どもに、こんな接し方をしていませんか?

□ ほめて育てればいいと思い込んでいる
□ 子どもの言った言葉にいちいちつき合う
□ 子どもが傷つかないように配慮してしまう
□ 苦手な食べ物は好きなものと一緒に出してがんばらせる
□「空腹でいるのはかわいそう」と思ってしまう
□ 弱音に対して励ましを与える
□ インターネット(携帯電話を含む)は「制限付きで大丈夫」と考える

 あえてはっきり申し上げますが、こんなことをしていると、本当に子どもがダメになってしまいます。

 ――ええ!? なんで?? ウソでしょ、みんなやってますよ!

 いや真実です。いつの時代も、子育てには次のような後悔はつきものですね。

「子育てをもう1回やり直したい」
「3歳までに、もっとしつけをちゃんとしておくべきだった」
「ほめたり、叱ったり、もっと早くから勉強しておけばよかった」

 ……でも、後悔したままでいいんでしょうか?
せっかくまだ取り戻せるという事実があるのに!

  ――イヤです!

 この本のテーマは、
 3歳までの子育ての失敗は100%取り戻せる!
 です。

 ――子育ての失敗が100%取り戻せる??

 お母さん、お父さん、子育ての数多くの難問に対し、誰が何と言おうと、絶対にあきらめないでいただきたい。どんな子どもも、やり方次第で、必ず変わるんです。

 ――それは心強いですね!

どんな気持ちで本書に臨んだのか

 ――この本はどういった気持ちで書かれたのでしょうか?

 私が文筆家なら本を書くのが仕事ですが、私の本業は臨床家です。どれだけ本を書くために必要な時間が生じても、教育相談の時間を減らすことはできません。でも、これまでで一番、本書が自分の身を削って書き上げたものかもしれません。

 ――ええ!? これまでで一番! どんなペースで書き上げたのですか?

 圧倒されるくらい編集者から何度も強く励まされて、私の執筆活動が促されました。シドニーからアイデアを送り、バンクーバーから目次案を送り、サンフランシスコから原稿を送り、シカゴから原稿を送り、ラスベガスから原稿を送りました。そしてまた、サンフランシスコから原稿を送って、最後にバンコクから原稿を送りました。

 ――最後はバンコク! イッツ・インターナショナル! センセイ、アツイですね!

 ……普通ですけど。いずれも最初の読者として、編集者から激烈なる読後コメントをもらいました。まるで『あしたのジョー』の丹下段平(たんげ・だんぺい)みたいに、「書けぇ、書くんだぁ」と言われていたかのごとくです。書き上げた直後、まさにジョーのように、白く燃え尽きましたよ。