「こんなチームで勝てるわけがない」
「チームに負け癖がついていて、どこから手をつければいいのか……」
リーダーも人の子です。どんなにやる気があっても、任されたチームの状況を見て、そんなふうに思うことはあるでしょう。しかし、リーダーが浮上のきっかけを見出せなければ、チームの状況は悪くなるばかり。
「悩めるチームリーダーにこそ、『技術』が必要だ」との思いで『ぼくは「技術」で人を動かす』を執筆したオイシックス社長髙島宏平氏が、とっておきの「レシピ」を紹介! 今回のテーマは、リーダーが必ずぶち当たる壁、「負け癖チームの立て直し方」です。

 【リーダーのつまずき】
「負け癖チーム」のリーダーになってしまって、
どこから手をつけていいかわからない……

 チームを結成したばかり、リーダーになったばかりのときは、わからないことだらけで不安も大きいでしょう。しかし、裏を返せば、未知数である分、思うようにやれる“余白”がたくさんあります。私が「最初」にワクワクするのは、そのためでもあります。

一方で本当に難しいのは、チームとしてある程度の時間を過ごした「中だるみ」状態のチームだと思います

 チームとしては成立しているけれど、大ヒットが出たり、大きな売上を達成したりという経験はない。それどころか企画がマンネリ化していたり、ほんの少しずつだけれどじりじり売上が減っていたりする状態。

 この中だるみは、営業などのチームに限りません。たとえば管理部門のように、同じメンバーでずっとやっている、今までの延長線上で仕事をしているといったことが理由で、士気が上がりにくくモチベーションが低いチームもあるでしょう。

「このままじゃ、やる気を出して働くなんて無理だな。仕事は仕事と割りきってルーチンをこなすしかない」

 どんよりした空気が蔓延していれば、仕事の能率が下がります。人間関係はぎくしゃくし、お決まりの“相性問題”が勃発。足を引っ張られているうちに思わぬミスが出たりします。

 私も一度、社内のあるチームの事業部長を兼任したことがあります。そこのリーダーが体を壊したので緊急処置として指揮することになったですが、チームの内情を見て驚きました。

 明らかに他の部署とモチベーションが違います。目標は10ヵ月連続未達成。完全に「負け癖」がついていて、メンバーの表情もチームの空気もどんよりしています。リーダーである事業部長が体を壊したのも無理はないと思うほど、マイナスの空気がうずまいていました。

 負け癖がついてしまい、ビジネスの大海原を航海するどころか漂流しているような、危機的状況下にあるチームを立て直すのも、リーダーの仕事です。負け癖チームを勝てるチームに変える「仕掛け」をどのようにしてつくり、メンバーを動かしてチームを立て直し、危機を脱する方法を、私の経験とともにシェアしていきましょう。