「サラリーマン川柳」「シルバー川柳」をはじめ、静かな川柳ブームが起きていますね。今回ご紹介するのは、あの「適当男」高田純次による『適当川柳』。過激な下ネタとくだらなさに、肩の力が抜けること請け合いです。

あの「適当男」の
川柳集を紹介!

 NHKの「クローズアップ現代」が、「自虐?反骨?川柳で今を笑う」と題して、さまざまな世代に広がる「川柳ブーム」の背景を分析し、現代の日本人と笑いの関わりを取り上げたのは今年2月16日のことでした。

 番組では、シルバー世代のあいだで老いや病、孤独などをユーモアあふれる表現で笑い飛ばす「還暦川柳」が人気を集めていること、派遣社員や女性、大震災の被災者たちも川柳を詠み始めたこと、そうした川柳が多くの共感を呼び、互いを励ましたりネットで交流したりという動きも生まれていること、などなどについてイラストレーター・山藤章二さんの解説を交えながら放送していました。

『アーンして むかしラブラブ いま介護』
『ゴミ出しに 定年なし!と 妻の檄』
『コストダウン さけぶあんたが コスト高』
『昼食は 妻がセレブで 俺セルフ』

「○子」「美女の屁」「きび団子」…<br />バカバカしくも笑いを誘う傑作下ネタ川柳集高田純次著『適当川柳』2012年8月刊。帯の「適当(相当のエロを含む)×川柳=?」が本の内容を見事に表しています。

といったシルバー川柳やサラリーマン川柳を、みなさんもどこかで目にしたり、耳にしたことがあるに違いありません。中高年をとりまく不安や困難、悲哀や絶望をあえて笑いに転化しながら、悩み多き時代を生き抜く知恵とする――。いや、人生に悩み多き課題を抱えているのは中高年に限りません。だからこそ、現実を明るく笑い飛ばす川柳に、じわじわと共感が広がっているのでしょう。

 ま、そんなわけ(どんなわけ?)で、今回は社内外から「およそダイヤモンド社らしからぬ本」との指摘もあった『適当川柳』(2012年刊)をクローズアップします。著者は還暦を過ぎてもなお「適当男」「平成の無責任男」の異名をとり、幅広い世代にファンを持つ高田純次さんです。同業の芸能人からも、「高田純次みたいに、あんなふうに適当に生きたい」などと慕われる存在でもあり、ラジオから聞こえてくる彼の声を聴いているだけで心が休まる、一日の疲れが取れる――親しみを込めてそんな感想を漏らすオヤジたちが、筆者の周りにも少なからず存在します。

 本書は、そんな高田さんだから許される「いい加減」かつ「下ネタ満載」の川柳集です。まずはアマゾンのカスタマーレビューから、読者の声を拾ってみましょう(注:→以下のコメントは、高田師範に乗り移られた筆者が、師範の意思を口寄せしたものです)。