どうすれば、部下が
「課題解決者」に成長するのか…

「あれこれ長々と書き込んでいるけれど、要するに何が言いたいのか、結論がさっぱりわからない…」

 部下を持つ管理職のあなたは、日頃からこうした思いを抱いているだろう。

「上司からなかなかゴーサインが出ない。すんなり通る企画書を書きたい!」

 一方で、煮え切らない上司を持つ部下のあなたは、こんな不満を抱きがちだ。女性向けのモバイル恋愛ゲームでトップを独走し、累計2600万人の女性の胸をキュンとさせているボルテージでも、設立当初はこうした問題と直面していた。

 そこで、創業者で代表取締役社長(当時)の津谷祐司氏は、独自のフォーマットの企画書を考案する。それは、1枚の紙でシンプルに『A(課題)→B(解決)』を表すというものだ(下図)。

「20代前半の社員はある程度の論理的思考法を身に付けており、コンテンツの改善に対する意欲も高いものの、経験不足でビジネスの全体像をなかなか把握できません。このため、おのずと努力に見合った結果が伴わず、どんどんやる気も薄れていきがち。そこで、「A→B」フォーマットの企画書を用いることで、若手たちに「課題は何か」を正確に把握させたのです」(津谷会長)

 ここで定義している課題とは、そのコンテンツの“現状”と“あるべき姿”との間に生じているギャップのこと。

 後者を規定するに当たって、ボルテージではアクセス数や利用率、初回購入率などをKPI(重要指標)として用いている。一般的にユーザーの消費行動は「アプリへのアクセス→無料利用→初回購入」といったプロセスを経るが、各頁にカウンターを仕込み管理画面上にKPIの値を表示させ、担当者はユーザー全体の行動を瞬時に把握できる。