自分の希望と違う部署に配属されました。なぜですか――?
いまさら聞けないカイシャのあんなことやこんなこと。“楽天的キャリアナビゲーター” 前川タカオがズバリお答えします!

A14:自分の意外な可能性に
気づくチャンスなんだ。

 そっか。希望に胸膨らませてたのに、ショックだよなぁ。配属された部署の仕事にも、なかなかやる気にならないんだろうなぁ。まず、そこまで明確に希望の部署があったことに感心する。たいていの人は、希望の部署どころか、自分がやりたい仕事なんて、よくわからないものだからさ。

 でも、実はキミと同じような悩みをもつ若手社員は多いんだ。ディレクターをやりたくてテレビ局に入ったのに、経理部に配属。世界をまたにかけた仕事がしたくて商社に入ったのに、地方支社に配属。ファッション衣料の販売がやりたくてデパートに入ったのに、食料品販売に配属、etc…。よく聞く話だ。

 かくいうオレも、実は入社したときは営業がやりたかったんだ。自分に何が向いているのかなんてまったくわからなかったけど、仕事するなら営業と思い込んでた。でも配属は情報誌の編集部。同期の大半は営業部に配属され、半年もすると売り上げの実績を上げるヤツも出はじめて……焦ったなぁ、最初は。

 日々の仕事といえば、週刊誌のモノクロ1ページの連載記事を先輩にフォローしてもらいつつ、なんとかかんとか仕上げるだけ。オレ何やってんだろ? 悩んだよ。それでも、カラダは動かしてた。2年目になるころ、不思議なことに、編集者の仕事の面白さがわかってきた自分がいたんだ。

 自分で一生懸命に企画やメッセージを考える。それを取材して、記事のカタチに編集する。本屋さんに行ったら自分が作った記事が載ってる週刊誌が売ってる。直接会ったことのない、多くの読者に読まれる。それによって役立ったり、喜んでもらえる人が生まれていく。このダイナミズムにしびれたんだ。

 よくよく考えてみたら、学生の頃から仲間を集めては小さなイベントやツアーをしょっちゅう仕掛けてた。それでみんなが喜んでくれたら、ムチャクチャ嬉しかった。その繰り返しのなかで、影響の輪が広がっていくことが好きだった。たまらなかった。なんだ、オレの原点ってココだったのか、って。