博報堂やマッキンゼーという大企業を辞め、自分たちがやりたいことを理想的な状態で実現するために、「新しい働き方」を生み出した東京R不動産の3人。やりたいことを、好きな仲間と、おもしろく。自由で充実していてちゃんと稼ぐ、会社員とフリーランスの「良いとこ取り」の働き方とは?著書『だから、僕らはこの働き方を選んだ』から一部を抜粋して紹介。
※この記事(2012年2月12日公開)は、東京R不動産がテレビ東京系列「カンブリア宮殿」に出演したことを記念して、再配信しています。

理想の働き方は実現できるか?<br />僕らはこうして会社を辞めた左から馬場正尊氏、林厚見氏、吉里裕也氏

ビジネスリーダーたちからも多数推薦!

「これからの組織の本質が、ここにはある。 個人が活き活きと自律的に働くこと。事業はそれに尽きる。 自由でフェアなチームは、清々しく、美しい。」
――江副浩正 氏(株式会社リクルート創業者/特例財団法人江副育英会理事長)
「これぞ、ノマド的に生きるための理想の働き方!20代にこそ読んでほしい本。」
――本田直之 氏(レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長)
「好きなことを、好きな仲間と、自由にやって、それでちゃんと食べていける。こういう人たちこそ、真の勝ち組なんだ。あぁ、ウラヤマシイ!」
――小山薫堂 氏(放送作家/脚本家)
「私もユ ニークな組織作りに興味があるので勉強になりました。」
――柳澤大輔 氏(面白法人カヤック代表)
「我慢という美徳を、喜びという価値に置きかえた一大事。」
――遠山正道 氏 株式会社スマイルズ(Soup Stock Tokyo)代表取締役社長
「自分たちの船をつくって、海を渡りたくなる本。」
――西村佳哲 氏 リビングワールド代表/働き方研究家
「やるべきことを楽しくできる、が何よりの幸せ。この働き方は一つの理想形だと思う。」
――小暮真久 氏 TABLE FOR TWO 代表理事/『「20円」で世界をつなぐ仕事』著者

「理想の働き方」は実現できるか?

 僕らがそれまで働いていた会社を辞めて「東京R不動産」という不動産サイトを始めたのには、いくつかの理由がある。僕らが最初に入社した会社は、世間的には決して小さい会社ではないし、むしろいい会社として多くの人が憧れる部類に入る。事実、猛烈に忙しかったけれど、給料も待遇も良かった。しかし、僕らは最初からそこで一生働き続けるイメージは持っていなかった。

 最終的に会社を辞めて自分たちでビジネスを始めようとした理由には、自分たちに向いている道を探していたら結果的に流れ着いたという消極的で場当たり的な面が多いのだが、積極的な理由ももちろんある。

 それは、それまで組織の中で働いて経験した自由さや不自由さから、僕らにとっての「理想の働き方」を実現したいという思いがあったからだ。理想の働き方を通して、僕らは純粋に心からやりたいと思うことをビジネスにしたいと考えていた。そして、自分たちがやりたいことを理想的な状態で実現するためには、僕らの手で「新しい働き方」を生み出す必要があったのだ。

 東京R不動産のメンバーは価値観も思考もバラバラだけれど、僕らが理想としている働き方については、常に似たような感覚を共有している。おおざっぱに整理すると、次の4点に集約される。

1 やりたい仕事をすること
2 ちゃんとお金を稼ぐこと
3 社会を豊かにすること
4 楽しい仲間と働くこと

 どれも当たり前のことかもしれないが、これを全部クリアして働くのは、普通の会社ではなかなか難しい。すごく稼いでいても必ずしも楽しくはなかったり、社会にも貢献できている実感を持てなかったり、逆に会社を辞めて楽しいことに近づいたけれど稼げない、ということはよくあることだ。多くの場合、背反する理想と現実が必ず混在している。

 僕らも理想の状態を実現しているとはまだまだ言えないけれど、少なくともバランスよくそれらを実現している。この連載では、そのために東京R不動産という組織がどんな試行錯誤や工夫をしているのか、そして、その過程で経験している苦労などを一部紹介したい。