入社や異動、転勤、転職など、春から新しい環境でがんばっているものの、2、3ヵ月たったけれど、どうも結果が伴わないと苦しむ人も多い、この時期。どうすればスランプや停滞期から抜け出せるだろうか?
(まとめ/書籍オンライン編集部)

横峯さくらにメンタルトレーナー森川陽太郎が<br />伝えた、停滞期を抜け出すための「軌道修正」<br />全米女子オープンに向けて、滞在先のアメリカで練習中のプロゴルファー・横峯さくら選手
拡大画像表示

  生涯獲得賞金10億円を突破するなど名実ともに日本を代表するプロゴルファー、横峯さくら選手。今季からはアメリカ女子ツアーに参戦してさらなる高みを目指す彼女を、二人三脚で支えているのが夫のメンタルトレーナー、森川陽太郎氏だ。

  森川氏が横峯選手に伝授したのは、自分自身にOKを出せるラインを設定す ることで自己肯定感を高めていく「OKライン」という考え方。この考えは、「伸び悩み」「停滞期」から抜け出すヒントにもなる。さっそく解説いただこう。

トップアアスリートだって、
環境変化で自信をなくす

 365日24時間、いつでも自信に満ち溢れている人間などいません。

  職場でも仕事でミスをしたり、思うように成績が上がらなかったりして、「オレは何てダメな人間なんだ」と落ち込んでしまう。できると思っていた仕事が上手くできずに、「こんなはずじゃない」とうろたえて自信を失くしてしまう。
  また、新入社や人事異動、転職といった環境の変化で、慣れない仕事や新しい人間関係などのストレスを抱え、「ここでやっていけるのだろうか」と不安にさいなまれてしまう。――そうした経験は、大なり小なり誰にでもあるでしょう。

  それは、世界を相手に戦っているトップアスリートでも例外ではありません。

  実は、横峯さくら選手も同じでした。

  今季からアメリカ女子ツアーに本格的に参戦、新しい環境でのゴルフは、想像以上に大変なものでした。参戦当初は、日本ではほとんどなかった3試合連続の予選落ちなど、予想外の苦戦を強いられました。本人もショックだったと思います。
  本場の難しいコース設定や芝の質、長距離移動に言葉の壁といった、日本とはまったく異なったプレー環境の影響……。やはり環境の変化がうまくいかない理由なのか。
  違います。実は、大きな原因は、今の自分と向き合えていないということだったのです。