ヨガブームなのに「ヨガ男子」が少ない理由は?日本でも定着したヨガ。しかし男性のヨガ人口はなかなか増えない

 さる6月21日は国連の制定した「国際ヨガの日」だった。もともとインドのモディ首相が昨年9月の国連総会で提案したもので、日本を含む175ヵ国が共同提案国となっていた。インドのプレゼンスの大きさもあるだろうが、多くの国が特に反対する理由はないと考えるほど、ヨガは浸透しているのだ。

 4000年以上の歴史を誇るヨガ。その語源はサンスクリット語の「ユジュ」で、身体と心、魂を神に結びつけるための修行法として生まれたとされる。1920年代にインドで科学的な研究が始まったこと、そして1970年代にはヒッピームーブメントの中で精神的・肉体的な調和と自由を得る手段として人気を集めたことが現代のヨガブームにつながる流れであり、何度かのブームを経て、現在では世界的に定着した。

いまやヨガ人口は100万人超!
市場規模200億円になったワケは?

 ここ日本でもヨガは何度目かのブームを迎えている。ヨガ人口は2000年代中盤の30万人から増え続け、現在では100万人を超えたといわれる。ヨガの専門誌も2008年に創刊され、ヨガを中心としたライフスタイル誌として一定の読者を獲得し続けている。

 また多くの旅行会社などが「ヨガ・リトリート」や資格取得を目的とした「ヨガツアー」を企画している。「ヨガ・リトリート」とは、都会から離れた地で合宿のようにヨガを集中的に体験し「癒し」や「気づき」を得ようというものだ。国内では観光地というより合宿施設のあるような静かで自然の豊かな地、海外ではインド、バリ島、ハワイなどが人気を集めている。

 全米ヨガアライアンなど国内外の複数の団体が独自に認定するヨガ・インストラクターやヨガ・セラピストの資格には、それぞれ養成講座があり、専門校まで存在する。

 専門誌が刊行され、ツアーに人が集まり、インストラクター養成の仕組みもある。日本のヨガ市場は一説によれば200億円超ともいわれている。このような状況が少なくとも数年にわたり続いているのだから、ブームというよりは定着と拡大のプロセスにあるといえるだろう。

専門誌の誌面からもわかるように、現代のヨガブームは高い精神性を求めるだけでなく、瞑想や呼吸法による精神の安定やリラグゼーション効果、各種ポーズによるストレッチ効果、さらにダイエット効果、デトックス効果に惹かれた人々が盛り上げたものだ。