2006年設立のアイケンジャパンは、資産形成のため、土地を持たなくてもできる「アパート経営」に特化した会社だ。徹底的に建物にこだわって差別化を図り、99%以上という高い入居率を実現している。

尾木ママがイメージキャラクターを務める

 一見して、その建物は賃貸アパートには見えない。瀟洒(しょうしゃ)な一戸建てかマンションの外観。オートロックの玄関を開けると屋内廊下階段があり、各住戸は全室角部屋でプライバシーが保たれている。

 アイケンジャパンは創業以来、エリアや土地はもちろん、設計やデザイン、さらには設備や仕様にこだわり、付加価値の高い「アパート経営」の物件を販売してきた。木造とは思えないモダンな外観で、他社物件との違いは一目瞭然だ。

他社物件にはない
間取りと外観を備える

代表取締役
中島厚己

「土地を持たないサラリーマンや自営業、公務員などさまざまな方がオーナーです」

 その理由を、アイケンジャパンの中島厚己社長はこう説明する。「アパート経営において、最も重要なのは入居率です。入居者にとって、魅力的な物件であり続けることが、入居率の高さにつながり、結果的にオーナーの皆さまの利回りの安定、つまりアパート経営の成功につながります。他社と同じ建物では、市場に埋もれてしまう。類似物件を造らなければ、同地域での家賃競争や、入居者の取り合いに巻き込まれず、優位性が保たれます。そのために当社では、これでもかというくらい、徹底的に建物造りにこだわっているのです」。

 現在、アイケンジャパンでは福岡、広島、名古屋、東京で事業を展開。現在まで販売したアパートは250棟を超え、常時99%以上という高い入居率を誇っている。

 その建物の特徴を一言で言えば、「見える部分はもちろん、ディテールや見えない部分にこそ、こだわりを持って設計・建築している」という表現になる。同社が入居者のターゲットとしているのは、都市生活を楽しむ“社会人の女性”。そのため、土地や場所は言うまでもなく、デザイン性やセキュリティ、居住性にこだわっているのだ。

各住戸を水回りで仕切り、全室角部屋にすることで防音効果を高め、プライバシーも守られる

 まず、ワンルームではなくゆとりのある1LDK。リビングは約9畳、各住戸間は水回りで仕切られ、全室角部屋になっているため、防音効果が高められている。

 ビルトインキッチンは、リビングと直角に位置して調理がしやすい配置になっており、寝室への扉は引き戸で、スペースを大きく利用できる工夫がされている。細かい部分では、窓の高さは通常の1.8メートルではなく2メートルの高さがある。この20センチの差が、室内に陽光が十分に差し込む要因になっている。その窓際には、天井から引き下ろせる室内物干しを設置、窓は防音性と防犯性の高い一枚もののペアガラスで、結露の防止や室内のカビを防ぐ。

 セキュリティに関しては、オートロックを採用。共用廊下・共用階段を屋内にすることで、防犯性をさらに高めている。さらに1階のバルコニーの手すりの高さが地上より2.5メートルと高く、防犯シャッター付き、建物の周囲は防犯砂利が敷き詰められ、建物の裏に回ってもバルコニー前をライトで照らすなど、万全な体制が取られている。

 さらに2階には、これまでの木造アパートの発想になかった、専用のスカイバルコニーが設けられている。照明やコンセントも装備されているので、さまざまなシーンに対応可能。開放的ながら、プライバシーがしっかり守られた空間になっている。

「一般的なアパートは、いわゆる“ようかん型”といわれる、各住戸が並列に配置され、外階段・外廊下でつながったものが主流です。この配置だと隣室の音が漏れ、退去の原因になります。そして挟まれた中部屋は、風通しが悪くなるという問題があり、また構造上1部屋が狭くなるため、家賃下落の要因にもなります。さらに、外階段・外廊下は風雨にさらされ、メンテナンスに費用が掛かり、放置すると劣化して古びた印象になります」

 こうした“ようかん型”のワンルームは、敷地面積に対して戸数が多く取れ、建築コストが安いため、入居者が入りやすい新築時は、利回りが高いというメリットがある。