「なぜ、商品やサービスに自信があるのに、高く売ろうとしないのか?」。ごく自然に出てくる疑問に対し、適切なアドバイスを『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』は教えてくれます。ここでは、第1回で紹介した4つのステップより、「客層を変える」について少し触れていきます。

10月29日(木)、東京・目白で1日限りのセミナー開催決定!

 消費には4つのタイプがある

 人はどのような動機づけでモノを買い、どのような判断基準で買うもの、買わないものを選り分けるのでしょうか。

 まずは、消費の種類について考えてみましょう。消費者が商品やサービスを購入する際の動機づけや判断基準となるものの見方、考え方の違いを理解してください。

 消費には大きく分けて、次の4つのタイプがあります。

1 「安いから買う」消費
2 「高いから安心、信頼が置ける」消費
3 「モノではなく、コトを買う」消費
4 「自分らしさを買う」消費

 ビジネスモデルやマーケティングのプランニングをするうえで、かつては、「安いから買う」消費、「高いから安心、信頼が置ける」消費、「自分らしさを買う」消費、の3つの消費タイプを意識しておけば、それで十分でした。

 しかし、近年は「モノではなく、コトを買う」消費が顕著になってきました。現在では、これも含めた4つの消費のタイプをしっかりと理解したうえで、ビジネスを組み立てていくことが必要です。

1 「安いから買う」消費

 値段の安さを価値尺度として判断する消費です。こうした消費のタイプでは、原価やいわゆる相場価格、競合店、競合商品などとの比較により「値段の安さ」そのものが価値として捉えられて、商品やサービスが購入されます。

2 「高いから安心、信頼が置ける」消費

「安いから買う」消費とまったく逆のタイプになります。安さを価値とせずに、むしろ「高く売られているもの」を自ら志向し、選択しているのがこのタイプの消費者です。

3 「モノではなく、コトを買う」消費

 日常の生活の中で必要なモノを買うのではなく、自分の生活を彩る体験=コトを買うタイプの消費です。この消費のタイプでは、お金をモノに換えて残すことが目的ではないので、「安いから買う」という価値観がそこにはまったくありません。

4 「自分らしさ」を買う消費

 商品やサービスを買っているのではなく、自分の生き方や主義にお金を費やすのが、このタイプの消費です。このタイプの消費者は、「自分の世界」を形作るのが特徴で、気に入った店、気に入った場所にしか行かないという傾向が強く表れます。

 もし、あなた自身があなたの会社が提供する商品やサービスに価値があると感じているのならば、ぜひこうした消費のタイプをしっかりと理解しておいてください。そのうえで顧客の満足度を向上させつつ、しっかり収益の上がる経営へ舵を切っていくことを提案します。

 そして、自分自身で満足を感じられる値段で商品やサービスを買っていただけるようなビジネスに変えていくのです。