「脳科学おばあちゃん」として全国のお母さんから絶大なる信頼が寄せられている久保田カヨ子氏。ソニー創業者の井深大氏も絶賛した『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』も緊急重版(第3刷)が決まるなど、好調に推移している。

ほめるだけでなく、<br />誠実な批判も大切です<br />――カヨ子ばあちゃんの<br />子育て日めくり16

このたび、83歳になったカヨ子ばあちゃんが、自身初の『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり――子育ては体当たり。失敗してまた学べばいいのよ。』を出版した。
はやくも、楽天ブックスやアマゾンの「子育て」ジャンルで、ベストセラーになっているという。
どんな想いで出版に臨み、どんなことが『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』に掲載されているのか。
本連載では、読むだけでパパ・ママがホッとしながら、子どもの脳が活性化する「カヨ子ばあちゃん31の金言」を紹介。育児で孤軍奮闘するママ・パパを強力に応援したいと思う。
「脳科学おばあちゃん」にその想いを余すところなく語ってもらった。

ほめ方に注意する

ほめるだけでなく、<br />誠実な批判も大切です<br />――カヨ子ばあちゃんの<br />子育て日めくり16久保田カヨ子
(Kayoko Kubota) 1932年、大阪生まれ。脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。長男が一級建築士、次男が東京大学に合格。 約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた“0歳から働きかける”クボタメソッドを確立。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。 『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【脳研工房HP】http://umanma.co.jp/

 子どもには基本的な会話を早くに身につけさせたいものです。「○○ちゃん、何歳?」と聞かれたら、「うーん、えーっとねえ……」ではなく、「3歳!」と、すぐに子どもが言えるようにしておきましょう。

 また、お友達のお母さんに何かをもらったら、「ありがとうございます!」と言います。

 そのときに、あげたほうの大人は「あら、ありがとうが言えたのね、えらいわね」と言ってはいけません。

 子どもの「ありがとう」への返事は、まず「どういたしまして」。そのあとに「えらいね」とか「それおいしいのよ」と続けるように。

 まずは、大人が正しい受け答えをしましょう。

 そして、その場で自分の子を「まあ、自分から言えるなんてお利口、お利口!」とほめているお母さんをたまに見かけますが、アホみたいに見えることを自覚してください。

 それは家に帰ってからでも遅くはありません。

「さっきはちゃんとお礼が言えてえらかったわね」と、帰宅後にほめてあげればいいのです。

 そのときに、「この前、お菓子をもらったときに言えなかったのは、誰のママのときだったっけ?」と言えば、記憶力を試すことにもなります。

 ほめるときに、ほめすぎると子どものほうがわかってしまい、「ウソ言ってラア」と思ってしまいます。

 なぜほめたのか、正しく伝えなければなりません。