三菱東京UFJ銀行では、ダイバーシティ推進を重要な経営戦略の一つと位置付け、その多様性を生かして、個人もチームも成長できる組織づくりをめざしている。その中でも全従業員の約6割を占める女性の活躍が、ダイバーシティ推進の重要な柱となっている。今回は、管理職としてキャリアを重ねる3人の女性の活躍を紹介する。

「マネジメントに男女の差はない」        **
プライベートバンキング部
平塚順子 部長

1990年入行。法人営業、リテール業務を経験し、支店長3ヵ店、2015年より現職。

 三菱東京UFJ銀行で、女性初の本部部長となった平塚順子プライベートバンキング部長。現在の職務は、主に富裕層の顧客を対象に、相続や不動産活用、金融資産の運用などの商品・サービスの企画・推進だ。

「入行当時、総合職400人の中で女性は3人だけ。格別、女性であることを意識したことはありませんが、お客さまの所に行くと『なぜうちの担当が女性なのか』という反応はありました。でもそれは初回だけ。銀行はお客さまと長いお付き合いをしていく仕事であり、やがて信頼され、名前で呼ばれるようになれば男女の区別はなくなる。最初の法人営業で、そのことを身をもって体験しました」と振り返る。

 人の上に立つリーダーシップは、支店長時代に培われた。マネジメントに男女の差はないというのが平塚部長の持論。

 
三菱東京UFJ銀行では、2015年度から新たな数値目標を掲げ、実力ある女性の上位職への登用を積極的に進めている。数字を達成するのがゴールではなく、登用された女性がしっかり活躍することをめざしている。
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「女性同士で率直に話せるため、女性の部下を理解しやすいメリットはあると思います。とはいえ、上司の引き出し方によって、組織のパフォーマンスはすごく変わる。適切な距離感を持ち、一人一人の能力や仕事をきちんと見極める大切さは、性別に関係はないと思います」

 唯一自分の中で男女差を感じたというのは、女性的といわれる近視眼的なものの見方。「今思えば、目の前の職務に懸命になり過ぎて余裕がなかった」という。その意味でも、後輩のために“道を開拓する”のが役割だと思っている。