『0歳からみるみる賢くなる55の心得』から、脳科学の権威・久保田競先生と、「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子先生のメッセージをお届けする。

4・5・6・7歳児の<br />頭がよくなる方法久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。
4・5・6・7歳児の<br />頭がよくなる方法久保田カヨ子 (Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける“久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。2008年、株式会社『脳研工房』を立ち上げ、現在代表取締役。著書に、累計34万部突破のシリーズ『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【株式会社脳研工房HP】 http://www.umanma.
co.jp/

4~5歳児はゆっくり、
6~7歳児は速いスピードで

 手の親指に、他の4本の指先を順々に当てていく、“指当てゲーム”をしてみましょう。

 人差し指から小指まで行ったら、また人差し指まで戻ります。右手でも左手でもやってみましょう。

4~5歳児には、ゆっくりやらせましょう。
6~7歳児には、できるだけ速いスピードでやらせてみましょう。

 ご両親は、どの指の動きがよくて、どの指の動きが悪いのか注意して見てください。左右のどの指も同じように動かせるのが理想です。

 手や指を動かしている脳の場所は、“運動する”という意思を発生している前頭前野(ぜんとうぜんや)です。

 前頭前野が働き、ついで運動野が働いて意思が発生し、指の筋肉に「動かせ」という運動指令を出すことで筋肉が動きます。

 右手を動かす運動野は左脳に、左手を動かす運動野は右脳にあり、指ごとに違った場所が働きます。

 運動野の神経細胞が働いて「動かせ」という運動指令を出すとき、どれくらいの力をいつ出せばよいかという“計画”は前頭前野が行います。

 その前頭前野と運動野が働いて、手と指が動くのです。

 一方、脳から指示が出るのとは逆のルートで、親指と他の指がふれ合うなど、皮膚のどこがどのように刺激されたかという感覚情報が、皮膚の表面にあるセンサー(感覚器)から脳へも送られます。