あなたの会社の商品を
ひとつに集約せよ

【公式03】ビジネス断捨離の法則<br /><br />【貧す人】→なんでも、“やっています”。<br />【稼ぐ人】→それは、“やっていません”。神田昌典(Masanori Kanda)
経営コンサルタント・作家。株式会社ALMACREATIONS代表取締役。日本最大級の読書会「リード・フォー・アクション」主宰。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在「次世代ビジネス実践会」)。のべ2万人の経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。わかりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大。「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、「日本のトップマーケター」に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。著書に、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『全脳思考』『ストーリー思考』『成功者の告白』『2022――これから10年、活躍できる人の条件』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』などベスト&ロングセラー多数。

会社の強みを凝縮した、ひとつの商品を見出したときに、あなたは大きく飛躍する! そう断言してもいいほど、このアドバイスは重要だ。

 多くの会社は、あまりにも事業数、商品数が多い。この複雑性は弱みではなく、実は、あなたの会社の強みである。

 なぜなら、何も考えなしに仕事してきたわけではなく、顧客の要望に最大限答えてきた結果であるからだ。

 逆に考えるならば、あなたの会社には、今まで顧客を満足させてきた、すぐれたビジネスの種がたくさんあるということだ。

 それを会社の未来を支える屋台骨へと仕立て上げられたとき、会社は一気に飛躍する。

注目すべき
スティーブ・ジョブズの金言

どれだけよいアイデア(good ideas)を殺せる(kill)かが勝負だ

 と、スティーブ・ジョブズは言ったという。

 この哲学は、今も引き継がれていて、時価総額世界トップのアップル社は、あまりにも商品ラインが狭い。

 製品ラインアップは、iMac、MacBook、iPod、iPhone、iPad、iTunes、Apple Watch と数えるほど。

 一度追放されたジョブズが1997年にアップル社に戻ったときに行ったことは、60種類あったPCを、1機種3モデルに絞り込んだこと(「ダイヤモンドオンライン」2011年10月18日『特別講スティーブ・ジョブズは、本当は何に優れていたのか』三谷宏治[K.I.T. 虎ノ門大学院主任教授]記事より引用)。

 2015年に発売されたApple Watch は、何もまったく新しいものを開発したわけではない。今まであった技術とサービスを、未来に見合うように新しいパッケージでまとめ直したものだ。

 シリコンバレーを拠点に、クラウド会議室を提供するChatWork株式会社(山本敏行社長)には当初、ITコンサルティングをはじめ様々な事業があった。

 それを「チャットワーク」というアプリに絞り込んだあと、一気に世界展開を開始。現在では全世界183ヵ国・8万4000社以上にサービスを提供する。

【貧す人】の会社は、過去からの遺産をもとに食いつなぐだけだが、【稼ぐ人】の会社は、過去からの遺産を未来に似合う事業の柱へと結晶させるのだ。

 それだけの宝が、あなたの目の前の複雑さの中にある。
 あなたの様々な商品を、ひとつの商品でパッケージし直そう!