企業を取り巻く環境が大きく変化する中、CRE(企業不動産)戦略の重要性が高まっている。企業が所有および貸借するすべての不動産を、企業価値向上の観点から見直し、いかに有効活用を図るのか。三菱地所リアルエステートサービスは独自のクラウドシステム「CRE@M」を活用し、企業のCRE戦略をトータルにサポートしている。

情報開発グループ 情報開発一部長
CREシステム課長兼務
前田茂充

 現在、法人や個人、国や地方公共団体が保有する国内の不動産は、総額約2500兆円に上るといわれる。そのうち法人企業が保有するのは約426兆円。全体の2割近くを占めており、企業不動産(CRE)の動きは国の経済活動を左右する要因にまでなっている。

 もっともCREは、有効活用をすれば多大な利益を生むが、活用を怠れば企業活動を停滞させるリスクも抱えている。CRE戦略の浸透度も、まだ高いとはいえない。

「不動産管理の担当者を専任で置いている企業でも、対策は十分とはいえません。組織が縦割りになっていて、部署ごとには把握していても、不動産全体を俯瞰して見ることができなかったり、担当者が属人的に管理していて引き継ぎが困難だったり。そのような状態では、そもそもCRE戦略の前提となる課題の抽出すらできません」

 そう説明するのは、三菱地所グループでCREに特化したコンサルティング・サービスを提供する、三菱地所リアルエステートサービスの前田茂充・情報開発一部長だ。

企業の不動産情報を
可視化して一元管理する

「CRE@M」の詳細はこちらから

 同社では、企業にヒアリングをしながら課題を抽出し、リスクを明確にする。その後、CREの情報と企業戦略に基づいて適切な目標を設定し、老朽化した不動産の建て替えや売却などの具体的な解決策を提案、資産価値を最大に高めてゆく。こうした同社のコンサルティング・サービスの核となるのが、独自に開発したクラウド型のCRE戦略支援システム「CRE@M」(クリーム)である。

 土地・建物の基本情報管理や、ポートフォリオ分析、CREプロジェクトの進捗管理までがパッケージ化されたもので、企業の不動産関連情報が可視化され、一元管理ができるのが特徴だ。クラウド化して関係者が情報を共有できるので、情報管理コストが抑えられ、メンバーは戦略立案などのコアなビジネスに専念することができる。また、どのようなソリューションが最適なのか、全体を俯瞰して判断を下すことも容易になる。

 では、具体的に同社のCRE戦略支援はどのように行われるのか。