クロージングに入る頃、お客様はいろいろと質問していきます。これは非常にいい傾向です。こういう場合、あせらず質問してみましょう。
新刊『3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50』より、営業における誰も教えてくれなかったエッセンスのみを抽出し、最強フレーズを紹介していきます。今回は、フレーズ34です。

売れる営業は、お客様の本音を聞ける

 お客様は営業の最終段階に入ってくると、さまざまな質問をします。「これは本当に効果がありますか?」「どれぐらいで成果が出るのでしょうか?」「採用された方は喜んでおられますか?」「価格についてはなんとかなるのでしょうか?」などです。特に、プレゼンテーションが終わり、クロージングに入る前に多いでしょう。

 これらの質問は、お客様が本当にその商品・サービスがいいものか、間違いないものかを営業マンの反応を見て確かめたいと思ってするものです。

 お客様の質問に対して100%の正解はありません。なぜなら、いくら営業マンがお客様の質問に適切に答えようが、他のお客様の実例によって答えようが、お客様はまだ体験していないからです。お客様自身がそれを購入して、活用してこそ、そのメリットは実感できるのです。

 では、どのようにすればいいでしょうか。大事なことは営業マンがお客様の気持ちにしっかりと共感したうえで、質問でさらにお客様の気持ちを理解し、最後に適切な解答や実例を示すことです。それも落ち着いて、自信を持ってしっかりと答えることです。それさえできれば、お客様は納得して、一歩踏み出すようになるのです。

 この場合、まずはお客様に対して、「○○さんはどう思いますか?」と反対に質問で切り返すといいのです。これで、お客様がどれくらい質問に対する考えを持っているかがわかります。そのうえで、第4回「共感+『実はそういう方にこそ』で、アプローチやクロージングが嘘のようにうまくいく」第5回「『なるほど(共感)+具体的には(質問)』で、お客様との関係性が深まる」で示した「共感+質問」を使うのです。そして、最後に感想を聞けばいいのです。

 それらの例を示してみましょう。

お客様  「これは本当に効果がありますか?」(「どれぐらいで成果が出るのでしょうか?」「採用された方は喜んでおられますか?」)
営業マン 「○○さんはどう思いますか?
お客様  「多くの方が取り組んでいて、いろいろな体験を話していますね。決められた形で、しっかりとやれば効果は出るでしょうね」
営業マン 「そうですね。おっしゃる通りだと思います。ところで、なぜ、そのような質問をしていただいたのですか?」
お客様  「やはり、自分と同じようなタイプの人でも成果を上げられているのかなと思いましてね」
営業マン 「なるほど。具体的には、どのようなタイプですか?」
お客様  「私はいろいろ取り組むのですが、継続性がなくってね」
営業マン 「なるほど。そういうことですね。実はそういう方も多いですよ。東京に□□さんという方がいましてね。この方は……(事例を話す)。見事に、継続力がついて成果を上げられていますよ。○○さんは、この話を聞いて、どう思われますか?」
お客様  「何かできそうですね」

 金額についての質問は、他の質問とは違うように聞こえるかもしれませんが、基本的には同じなのです。この場合は、同じように質問で切り返した後、最終的に支払い方法などで安心してもらい、その実例を話すといいでしょう。

 たとえば、「大阪に△△さんという方がいましてね。実はこの方も……(事例を具体的に話す)。見事、短期間で大きな成果を上げていますよ。特に営業のポジションですから、成果によって報奨金があり、支払い分以上を取り戻していますよ。○○さんは、この話を聞いて、どう思いますか?」とすればいいのです。