ダイヤモンド社より発売され、早くもご好評いただいている『外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣』より、その一部を抜粋してお届けする。

呼吸でエネルギーをコントロールする

 ヨガでは呼吸法のことを「プラーナヤーマ」と呼ぶ。心身の統一をするのに重要な要素のひとつだ。

 プラーナヤーマの語源は、サンスクリット語で「生命エネルギー」を意味する「プラーナ」と、「拡張、延長、伸ばす」を意味する「ヤーマ」が合わさってできた言葉である。『ヨーガ・スートラ』では、呼吸によって気をコントロールすると「心の輝きを覆い隠している煩悩が消える」と述べられている。

 「呼吸で生命エネルギーをコントロールする」というとちょっと怪しげに感じるかもしれないが、医学的にも呼吸は自律神経に関係するので理に適っている。

 自律神経は心拍数や体温、発汗、呼吸をコントロールしている。その中で、唯一自分自身でコントロールできるのが呼吸だ。呼吸を調整することによって心拍数に影響を与え、心理状態も変化させられることは前回述べたとおりだ。

 ヨガには腹式呼吸がよく、胸式呼吸は悪いという考え方はない。両方の呼吸を使い分けて、気持ちを落ち着けたり興奮状態に持って行く。

 ただ、現代人は呼吸が浅い傾向があるので、腹式の深い呼吸を身につけておくことが大切だろう。通常は多くの人が胸で浅い呼吸をしがちだからだ。