2005年に22の歴史的建造物と8ヵ所の広場が「マカオ歴史市街地区」としてユネスコ世界文化遺産に登録されて以来、マカオを訪れる観光客は年々増加している。それに合わせて巨大リゾートホテルやアミューズメント施設も続々誕生し、華やかな話題が引きをきらない。いまやマカオは東洋きっての魅力ある旅のデスティネーション(目的地)といえるだろう。

 

 大航海時代を迎えた16世紀以降、東西貿易の中継地として栄え続けてきた国際都市・マカオ。1887年からはポルトガルの植民地となったこともあって、東西文化が融合した独特の発展を遂げてきた。東洋を代表する街の一つでありながら、至るところにレトロな欧風建築物が点在。そんなマカオに今、さらに新たな魅力が加わってきた。

世界文化遺産と巨大
ホテル群が隣り合わせ

 マカオ(中華人民共和国マカオ特別行政区)が中国に返還されたのは、1999年12月のこと。以来、マカオを訪れる日本人観光客は年々増え続け、昨年1年間で37万9241人(対前年比3・4%)を記録した。ここ数年、日本人の海外渡航者総数が大幅に落ち込んでいるなか、これは注目に値する。

世界遺産・聖ポール天主堂跡

 人気の理由として、第1にマカオの歴史的建造物群が世界文化遺産に登録されたことが挙げられるだろう。第2に、近年目を見張るようなメガリゾートホテルの建設が相次ぎ、各種エンターテインメント施設も充実、アジアのツーリズムの中心地との呼び声が高まっている。

 そして第3に、ゴージャスで遊び心満載のホテルライフを満喫しながらも、街を歩けば歴史の足跡をたどることができる、その多面性と“ギャップ感”が、マカオ独自の不思議な魅力をかたちづくっているのだ。

マカオで唯一ゴルフ場を持つウエスティン・リゾート・マカオ。目の前は白砂のビーチ