一極集中で人口を増やしてきた東京だが、少子高齢化の進展で2020年をピークに減少に転じると予測されている。今、家を買うなら、将来にわたり活気が続く街を選びたい。注目すべきは、街の“女子率”だ。

“憧れの街”で
衰退が始まった?

 今回、「新築マンション激戦地」や「人気マンション調査」に登場した街の名は、従来人気が高かった住宅地ではなく、少し外れたエリアが多い。なぜだろうか。

 街の人気には、何か法則性があるのかも……という疑問から、注目してみたのが「女性に人気のマンションエリア市場検証」。調べたのはマンション事業のコンサルティングを行うトータルブレインという会社だ。

 同調査は東京を「都心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京)」「城南(品川、大田、目黒、世田谷)」「城西(中野、杉並、練馬)」「城北(豊島、北、荒川、板橋、足立)」および「城東(台東、墨田、葛飾、江東、江戸川)」に分け、神奈川を加えた6エリアの女性人口比率を調べたもの。

 「まず“女性人気”ということで、駅別に半径1㎞圏の女性人口比率を調べました。高い順に並べてみると、上位を占めるのはいずれも名前の通ったブランド性の高い住宅地でした」(トータルブレイン・久光龍彦社長、以下同じ)

 下表がその結果。なるほど、各種の街ランキング調査の常連である吉祥寺や恵比寿、中目黒、自由が丘などが入っている。

 ところが、ここには最近のマンション人気スポットである、東京湾岸や武蔵小杉は入っていない。そうした新しい街よりも、城南の田園調布や成城学園前、城西の久我山や浜田山、神奈川の鎌倉など、むしろ古くからのお屋敷街のイメージが強い街の方が目立つ印象だ。

 「全人口に対する女性人口が高い街を見ると、確かに昔の高級住宅街が多い。これは、女性の方が長生きで、単身になっても持ち家に住み続ける傾向があるからだと考えられます。全国的に有名な高級住宅街は、最近どこも高齢化が顕著で、活気がありません。若い人が魅力を感じにくい街になっているきらいがあります」