元利均等返済と元金均等返済、どちらがお得?
超低金利時代が続く限り、総返済額に大差なし!
おすすめは毎回の返済額が同じ「元利均等返済」
2017年6月15日公開(2017年6月29日更新)
住宅ローンの返済方法には、毎月返済額が変わらない「元利均等返済」と、毎月返済額のうち元金分(借金返済に充てられる分)が同じで徐々に毎月返済額は減っていく「元金均等返済」の2つがある。現在の超低金利時代が続く限り総返済額に大差はなく、将来の生活設計の立てやすさから「元利均等返済」がおすすめだ。
「元利均等返済」と「元金均等返済」は一字違いで、間違いそうになるが、毎月返済額の計算方法が大きく異なる。
「元利均等返済」は、元金分と利息を合わせた毎月の返済額が変わらないので分かりやすい。ただし、毎月返済額に占める元金分と利息の割合は毎月変わる。返済が進むほど元金分の割合が増えていくためで、最初は借入残高がなかなか減らない。
「元利均等返済」は毎月の返済額が同じなので、将来の生活設計が立てやすいというメリットがある。しかし、返済期間が同じ場合、「元金均等返済」より総返済額が多くなるというデメリットがある。
一方、「元金均等返済」は毎月返済額が徐々に減っていく。同じなのは毎月返済額のうち、元金分だ。返済期間35年の場合、借入額を420カ月(35年×12カ月)で割れば、毎月の元金分の返済額が出る。利息は借入残高に金利を掛けて計算する。銀行の表示する金利は年利なので、毎月の金利は年利÷12で計算する。返済額は元金分+利息となる。当初の毎月返済額は「元利均等返済」より多くなるが、毎回の返済で借入残高が減るにつれて利息も減っていくので、毎月返済額は次第に減っていく。
返済期間が同じ場合、「元金均等返済」は元金の返済が「元利均等返済」より早く進み、総返済額も少なくなるのがメリットだ。しかし、当初の返済額が「元利均等返済」より多くなるというデメリットがある。
現在の超低金利状態では「元金均等返済」のメリットはほぼない
金利の上昇に注意して柔軟に検討しよう
どちらを選んだ方がいいかは、現在の家計や将来の生活設計によって違ってくる。公務員など、将来の収入がある程度見通せる人なら、「元利均等返済」の方が家計の管理はしやすいだろう。一方、今は夫婦共働きだが、子供ができたら妻が退職する予定だというような人は、家計に余裕があるうちに元金を減らせる「元金均等返済」がいいだろう。
ただし、これは普通の金利状態のときの話だ。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは次のようにアドバイスする。
「金利が1%を切っている現状では、総返済額に大差はないので、元金均等返済のメリットはほとんどありません。むしろ、元利均等返済で返済額を一定にし、将来の生活設計を立てやすくすることのメリットが上回ります」
実際、金利0.5%(35年固定金利)とし、両者を比べてみよう(借入額3000万円、借入期間35年とする)。
「元利均等返済」は総返済額が3271万円で、毎月返済額はずっと7.8万円だ。一方の、「元金均等返済」は、総返済額が3263万円で、毎月返済額は最初8.4万円だが、徐々に減少していき、420カ月目は7.2万円になる。
それぞれの図の面積が総返済額にあたるのだが、こうして比べてみると面積はほとんど一緒だ。「元利均等返済」は総返済額がわずかに8万円高いだけであり、一方で返済額が変化しないというメリットに変わりはない。現在の超低金利時代が続く限りは、「元利均等返済」を選んでおけば間違いなさそうだ。
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日本国内全域。ただし、借地上・保留地・共有仮換地上の物件、離島にある物件については、取扱いできない
■フラット35
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(給与所得者)
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■フラット35
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(給与所得者)
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- 年収
(個人事業主等)
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総返済負担率が、
年収400万円未満は30%以下
年収400万円以上は35%以下
- 事業年数
(個人事業主等)
- ■自社商品
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一般団信
+3大疾病50%保障
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一般団信(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)
3大疾病50%保障(がんと診断確定された場合、ローン残高が50%に。急性心筋梗塞、脳卒中で手術、または60日以上後遺症が継続するなどの状態でローン残高が50%に)
就業不能保障(就業不能状態なら毎月のローン返済を最大12カ月保障。8大疾病以外は24カ月保障、当初3カ月免責)
全疾病保障(8疾病で就業不能状態が12カ月超の場合。または、8疾病以外のすべてのけがや病気で就業不能状態が24カ月超の場合、ローン残高が0円 )
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- 手数料:33,000円(消費税含む)
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- 借入額
- 500万円以上2億円以下(10万円単位)
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- 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
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- 使い道
- 本人が住む住宅に関する以下の資金
・戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
・戸建の新築・現在借入中の住宅ローンの借り換え
・上記に伴う諸費用
- 年収
(給与所得者)
- 200万円以上
- 勤続年数
(給与所得者)
- ー
- 年収
(個人事業主等)
- 原則、利用不可
- 事業年数
(個人事業主等)
- ー
- 年齢
(借入時)
- 20歳以上65歳未満
- 年齢
(完済時)
- 80歳未満
- その他条件
- ー
- 無料の団信
- 一般団信(借入時年齢:65歳未満)
+一般団信プラス(借入時年齢:51歳未満)
+がん50%保障団信(借入時年齢:51歳未満)
一般団信プラス(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、100万円の給付金。または、がん先進医療を受けた場合は、通算1000万円まで給付金)
がん50%保障団信(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円。また、がんと診断された場合、ローン残高が半分)
- オプション
(特約)の団信
- がん100%保障団信(借入時年齢:51歳未満)
金利+0.10%
死亡・高度障害、がんと診断された場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金
11疾病保障団信(借入時年齢:51歳未満)
金利+0.30%
死亡・高度障害、がんと診断された場合。10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金。病気やけがで入院が連続5日以上の場合、10万円の給付金
ワイド団信(借入時年齢:65歳未満)
金利+0.30%
死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円
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※実質金利は、借入金額3000万円、借入期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。変動金利は現在の水準が継続と仮定。
実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の監修で作成。
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住宅ローン利用者口コミ調査の詳細を見る
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今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とする
アンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
変動金利ランキング完全版はこちら
※サイト内の金利はすべて年率で表示
プロの評判・口コミ
淡河範明さん
住信SBIネット銀行の強みは業界トップクラスの金利の低さでしょう。ネット銀行なのですが、何故か店舗の方が金利や団信サービスで魅力的なことがあるのもユニークです。
住宅ローンの品揃えもバラエティで充実しています。利用するなら、金利の低い変動型がいいですね。
審査はとても厳格です。提出書類は、一切の代筆を許さない厳格さがありますね。もちろん書類に不備があればいちいち取り直しになったりし、意外と手間が発生することもあります。書類をしっかり用意することがポイントですね。
審査が通って融資実行までは3週間以上あけるのが原則なので、年末年始をまたいだりすると実際の融資実行がかなり遅れることがあるので注意です。
ただし、金利設定の細かな条件を理解していないと後で「そんなつもりじゃなかった」ということになりかねません。例えば、「固定金利特約タイプ」は、特約期間中に金利タイプを変更することはできません。その上、固定金利期間終了後は、何もしないと変動金利になりますが、その場合の変動金利はかなり高くなる(現在の金利設定の場合)ので、気をつける必要があります。
なお、給与振込銀行は別にしておきたい場合、住信SBIネット銀行は自動で毎月の返済分を他の銀行の口座から無料で吸い上げてくれる仕組みがあって便利です。