株ニュースの新解釈
【第77回】 2012年6月22日 保田 隆明

製紙業界が業界再編へ! 次なるM&Aの組み合わせは?

久しぶりにM&A市場に面白い案件(と言っては怒られそうであるが)が飛び込んできた。数年前に王子製紙から敵対的買収を仕掛けられたことでメディアを賑わせた北越紀州製紙が、大王製紙の株式の20%程度を買い取る模様というものである。

北越紀州製紙にとって今回の案件は手頃な買取り規模

 大王製紙(%%%3880%%%)は創業家の御曹司が会社のお金をカジノにつぎ込み、その後経営陣と創業家の対立が深まっていたが、創業家が北越紀州製紙(%%%3865%%%)に株式を売却することで、一旦経営が正常化しそうな情勢である。

 メディアによると北越紀州は大王の創業家が保有する株式約20%をすべて買い取るとのこと。大王製紙の時価総額は500億円台半ばであるので、北越紀州は買い取り資金としては約100億円強が必要となる。

 北越紀州製紙の2012年3月末時点での保有現金残高は230億円であり、株主資本比率は45%、格付は日本格付研究所からAが付与されている。借入金は1125億円あり、営業利益は毎年100億円程度であるので営業利益の10年分程度の借入金を抱えていることになる。

 手元にはある程度の資金を残しておきたいであろうから、これらの状況からは、同社が有利子負債を増やして資金調達を行う余地は限られている。約100億円で大王の株式の20%を買い取るというのは、北越にとってはちょうど手ごろな規模ということである。むしろそれより大きい持ち分割合だと資金手当てに難儀しそうだ。