株式レポート
2012年7月20日 マネックス証券

製造業の景気低迷は7月も続く?~地区連銀サーベイは低下トレンド継続~ - 米経済の「今」を読む -経済指標動向-

米国の製造業景気は7月も低迷が続きそうだ。全米製造業の景気動向を示す、ISM製造業景況指数の発表(8月1日)を前に、NY連銀とフィラデルフィア連銀がそれぞれ公表した景況感サーベイ(7月分)は揃って低水準に止まっている。共に大幅に低下した6月から小幅上昇となったものの、19日に発表されたフィラデルフィア連銀景気指数では、景況判断が改善した企業よりも悪化した企業のほうが多いことを示す「マイナス圏」が3ヶ月連続で続くなど、今春以降の低下トレンドを脱却したとは言い難い(グラフ参照)。

各サーベイの詳細項目によれば、特に目立つのが需要の低迷だ。顧客の需要動向を示す「新規受注」の増減を問う調査項目では、両サーベイでともに、前月から減少したと回答した企業数が増加したと回答した企業数を上回り、全体として顧客の需要が低調だったことが示されている。また、雇用も低調で、米国の需要低迷が雇用市場の逆風となっていることが示唆されている。これらの結果を見る限り、7月も米製造業景気は低迷が続いている可能性が高い。6月に大きく低下したISM製造業景況指数でも、大幅改善は期待しにくいだろう。


なお、製造業景況感の先行指標としては、24日のマーキットPMIや31日のシカゴPMIも公表を控えている。

※フィラデルフィア連銀景気指数とは
フィラデルフィア連銀が管轄する地域(デラウェア州、ニュージャージー州南部、ペンシルベニア州東部)の製造業(化学・製薬除く)への景況判断アンケート(100社前後が回答)を元に作成される経済指標。景気が1ヶ月前と比べて拡大したと回答した企業の割合から縮小したと回答した企業の割合を引いたDI(季節調整済み)で、「0」を基準に景気の拡大・縮小を判断する(0よりも大きければ拡大)。また、アンケートには、景気判断以外にも、以下の項目の前月比増減を問う設問や見通し(6ヶ月先)を問う設問も含まれる。
調査項目:新規受注、受注残、出荷、在庫、供給遅延、雇用者数、労働時間、支払い・受け取り価格、設備投資(見通しのみ)


マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 戸澤 正樹