株式レポート
2014年6月30日 マネックス証券

重要指標の発表相次ぐ ネガティブサプライズに注意 - 米国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の米国株式市場
―悪材料から利益確定売りに押される―


<先週の概況>

先週の米国株式市場は、ダウ平均およびS&P500 が週間ベースで下落した一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は上昇するなどまちまちな値動きでした。

前週にダウ平均やS&P500が史上最高値を更新していたところに、シリア軍によるイラク空爆の報道や、ニューヨークの司法長官が英系銀行を提訴したことによる他の金融機関への影響波及懸念などが出たため、利益確定売りが優勢となりました。


米国株式市場バリュエーション




業種別リターン



ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

スポーツ用品のナイキ(NKE)が3―5月期の決算を発表、1株利益が市場予想を上回ったことで買われ、週間上昇率首位となりました。大手放送会社を傘下に持つウォルト・ディズニー(DIS)は、契約者にインターネット経由で放送コンテンツを提供する新興企業が米最高裁から著作権侵害であるとの判決を受けたため、収益改善期待で買われました。

<下落>

化学メーカーのデュポン(DD)は通期の営業利益見通しを引き下げたことが嫌気され売られました。ダークプール(私設取引)で一部トレーダーを優遇していたとして、ニューヨーク司法長官がバークレイズ銀行を民事提訴したことにより、他の金融機関への影響波及が懸念され、ゴールドマン・サックス(GS)等の金融各社は軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

中古住宅販売件数 5月 489万件 市場予想 474万件 前月 466万件 (上方修正)
新築住宅販売件数 5月 50.4万件 市場予想 43.9万件 前月 42.5万件(下方修正)

23日および24日に5月分の中古住宅販売件数と新築住宅販売件数が発表されました。中古住宅販売件数は年率換算489万件と市場予想を大きく上回って、昨年11月以来の高水準でした。新築住宅販売件数は年率換算50.4万件とこちらも市場予想を大きく上回って、約6年ぶりの販売件数を記録しました。

単月の数字ではありますが、住宅市場の先行指標であるNAHB住宅市場指数も改善しており、住宅市場が底打ちして回復傾向にある可能性が高まってきたと言えそうです。


今後発表される主な経済指標

7月3日 非農業部門雇用者数(前月差) 市場予想 +21.5万人 前月 +21.7万人

7月3日木曜日に6月分の米国雇用統計が発表されます。通常は月初の金曜日に発表される米国雇用統計ですが、7月は4日金曜日が独立記念日の祝日のため、前日に発表されますのでご注意ください。

堅調な回復が続く米国労働市場ですが、引き続き新規失業保険申請件数などの労働関連指標は概ね堅調に推移しており、6月分も堅調な内容が予想されます。6月30日時点の市場予想は前月差21.5万人増となっています。

今週は雇用統計の他にもISM景況感指数、イエレンFRB議長の議会証言など極めて重要な指標の発表が相次ぎます。


マーケットビュー

先週のマーケットビューでは、短期的な過熱感が高まっていること、雇用統計やISM景況感指数などの重要指標の発表を前にしていることから利益確定売りに押される展開を想定していると述べましたが、概ね想定通りの展開となりました。

今週は上述の重要指標の発表が行われます。ISM景況感指数の先行指標であるニューヨーク連銀景況指数やフィラデルフィア連銀景況指数は前月から改善しており、ISM景況感指数も前月から小幅な改善が予想されています。ただ、堅調な内容が予想されてマーケットに織り込まれているだけに、発表内容が市場予想に届かないなどのネガティブサプライズだった場合、一時的にマーケットの下押し要因となるでしょう。

いよいよ7月中旬からは米国企業の決算発表シーズンが本格化します。上期の好調な米国景気を背景に、堅調な企業決算が発表され米国株式市場が一段高するきっかけになると見ています。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕