株式レポート
2015年7月13日 マネックス証券

米国市場はギリシャ金融支援協議の進展期待で大幅上昇 日本市場は中国株やギリシャ情勢に神経質な展開か - 市況概況

NYダウ: 17760.41  △211.79 (7/10)
NASDAQ: 4997.70  △75.30 (7/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

  1. 概況

    先週末の米国市場は、ギリシャが9日に欧州連合(EU)にEUの緊縮案に近い財政改革案を提出したことを受けてギリシャの金融支援協議が進展するとの期待や、中国株高を好感し大幅続伸となりました。取引開始直後から急速に上げ幅を広げたダウ平均は225ドル高まで買われると一旦伸び悩み130ドル高余りまで弱含む場面もありましたが、その後切り返し再び上げ幅を広げると取引終盤には250ドル高近くまで買われました。結局ダウ平均は211ドル高の17,760ドルと200日移動平均線を回復して取引を終えました。また、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は75ポイント高の4,997ポイントとなっています。

  2. 業種別動向

    業種別S&P500株価指数は10業種全てが上げました。情報技術や素材など公益事業とエネルギーを除く8業種が1%を超える上昇となっています。

  3. 個別銘柄動向

    ダウ平均構成銘柄は30銘柄すべてが上げました。なかでもアップル(AAPL)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ビザ(V)が2%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では6月の有償旅客マイルの増加を発表したアメリカン航空グループ(AAL)が買われ、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)のヘリコプター事業を買収する交渉を進めていると報じられた航空防衛のロッキード・マーチン(LMT)が上げました。また、投資判断の引き上げを受けて会員制卸売のコストコ・ホールセール(COST)も上昇しています。一方で最高財務責任者の退任を発表した不動産情報のジロー(Z)が急落したほか、6月の既存店売上高が減少した衣料のギャップ(GPS)が売られました。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場はギリシャの金融支援協議が進展するとの期待から大きく上昇し、CMEの日経平均先物も20,000円の大台を上回る水準となっています。しかし、その後12日のユーロ圏財務相会合や首脳会議ではギリシャが15日夜までに税制や年金制度の改革などの措置を法制化する必要があるとして協議が合意に至らず、協議の行方が不透明になったことから、本日の日経平均は先週末のCMEの日経平均先物の終値を下回ってのスタートが予想されます。本日も取引時間中は中国市場やギリシャ情勢に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

【為替・金利等】リスクオン相場への乗り遅れ懸念?
<ポイント>

◆先週金曜は、中国株価の反発継続に加えて、ギリシャ支援問題で週末のEU首脳会合で合意に至るとの期待感が急速に高まったことから、ユーロやポンドが上昇したほか、米中長期債利回りの上昇と共にドル/円がほぼ一本調子に上昇し一時122.88円と、先週末のギリシャ国民投票結果判明前の水準をほぼ回復した。

◆本日早朝には、ギリシャ第3次支援に関して、ドイツやフィンランドを中心に反対が強かったことから週末のユーロ圏財務相会合で合意に至らず、交渉開始にはギリシャが15日までに年金や税制などの改革案を法制化すべきとしたことから、先週金曜の楽観が一転し、ドル/円は一時121.93円へ1円程度、ユーロ/ドルは1.11ドル台半ばから1.11ドル割れへ、ユーロ/円は137円丁度近辺から一時135.42円へ急反落した。

◆もっとも、最終的には何らかの合意に至るとの楽観論も依然根強いとみられ、ドル/円は122円台半ばへ、ユーロ/円は136円台へ反発して推移している。

◆本日はユーロ圏首脳会合の結果を確認する必要があるが、合意先送りや、支援条件を満たせない場合の5年間の一時的ユーロ圏離脱案を出してきたドイツの強硬姿勢の明確化でも市場の楽観論は崩れていない。GREXITはない、という前提の下、市場は悪材料が出た場合のリスクオフよりも、ギリシャ残留決定後のリスクオン相場に乗り遅れることをより強く懸念しているようだ。ギリシャ改革案法制化の期限である15日を待たずに、ドル/円は123円乗せもありそうな情勢となってきた。

(マネックス証券 シニア・ストラテジスト 山本 雅文)