-談志さんと太田光さんは似ているところがあるのではないかと思うのですが、光代さんも爆笑問題というコンビのネタが好きだからここまでやれたという実感はおありですか?
好きじゃないとだめですね。爆笑問題に関しては最初からセンスはすごくあると思っていました。ただ、私が最初に見たときは、ちょっとマニアックだと言われていましたし、本人たちも若かったこともあって、「分かる人にだけわかればいい」くらいの感じで。でもせっかく能力があるのなら、いろんな人に見てもらって認められた方がいいんじゃないかと思ったし、本当に能力があるのなら、妥協しなければならない状況でもセンスのいい表現ができるはずだということはよく話しました。
-会社を自ら立ち上げたのは爆笑問題のお笑いを多くの人に見てもらいたいという気持ちからなのか、それとももう結婚もしているしという切羽詰まった状況だったからなのか、どちらが近いのでしょう?
彼らは若いうちに勘違いして、私も当時一緒に所属していた事務所を勝手に辞めてしまってぶらぶらしていて、いずれ何とかなると思っちゃっていたわけです。
最初のうち彼らはぱっと持ち上げられていましたから、少し頭を冷やさせようと思って放っておいたんです。一度表現する場を与えられて、それを取り上げられてしまったわけですから太田にしてみればまた高校時代に戻ってしまった感じですよね(笑)。その辛さが思い出されたようで相当考えたんだと思います。ある程度フラストレーションがたまったのか、太田から、「出してもらえるならば、今年出てきた新人とも同じ舞台に立つ」と言い出して。
そこまで考えているならば、じゃあ何かしなきゃいけないなと私も考えました。
そこで、まずは前の事務所に不義理をしたわけですから、許していただけるかは分かりませんでしたが3人で謝りに行きました。「当時のことは本当に申し訳ないと思っている、今後も頑張っていきたい」とお伝えしました。そこで3人できたことに対して評価をしていただきまして、大変有難いことに許していただきました。
私としてはもう一度、以前の事務所に戻って欲しかったのですが、太田からは「一度裏切った人間をもう一度信用するのは相当大変なんじゃないか」と言われました。確かに一度裏切られたという印象は事実として残ってしまう。太田の主張もなるほどと思って考え出したのが、私がそれまでお世話になっていた事務所を辞めて会社を作って3人でやっていこうということだったんです。
とはいえ、私はタレントでしたし、経営のノウハウも何もない。周囲の人は3人でやっていくなんて無理だろうと思ったでしょうね。私も内心大丈夫かなと思いながらやっていましたから。
-会社経営を始めるにあたり、大きな意識の変換のようなものはあったのですか?
まずは「人を好きにならない」というのでは仕事にならないなと思いまして、「好き嫌いで仕事をしない」という考え方を取り入れました。あとは会社を経営するわけですから、これからは人と積極的にコミュニケーションをとっていかなきゃいけない。これは人格を180度変えなきゃできない仕事だなと思いまして。役者をやっていたこともあり、元いた事務所の副社長が社長の奥様なのですが、その方を演じるつもりで始めたんです。ただし、そこは大きな事務所で社員もタレントも沢山いらっしゃいますが、私たちは3人だけ。ひとりで副社長を演じるのは難しいところもありましたが、難しいからこそ身につくのも早かったのかもしれません。
そうしたら一週間くらいで、この仕事は向いているなと思えたんです。自分の演技に酔っちゃたんだかわかりませんけど(笑)「これはいけるかも!」と生まれて初めて職業に対して思えたんです。
-それはどういうときに実感されたのですか?
現場のスタッフに、爆笑問題を売り込みに行くわけですけれど、その営業トークがとてもスムーズに行くんですね。ものを売るのがもともと好きなんです。
モデルをやりながら酒屋さんでバイトをしていたとき、ワインの試飲会でメーカーから派遣されてくる売り子さんより、私のほうが売れるんですよ。
-秘訣はなんだったのですか?
私がおもしろいくらいに売るもので、そのうちメーカーに直で雇われるようになったんです。それなら、ちゃんとワインのことも勉強しなきゃいけないなと思って、味の違いやどんなお料理に合うのかなどお客さんに説明できるように勉強しました。あとはお客さんの年齢に合わせた営業トークで、シチュエーションを盛り上げるような会話をしていましたね。
-爆笑問題の再ブレイクのきっかけとして単独ライブがあげられますが、どういう狙いで企画したのですか?
そのとき、当時の爆笑問題のポジションの人を探している最後の時期だったので、そこに合わせて一回、その半年後の番組改編の時期にもう一回やるというのが私の狙いだったんです。最初の単独ライブはまず二回、箱を決めてきちゃって、当時の彼らはライブにあんまり意味を持っていなかったのでなかなか理解してもらえませんでしたが「とにかくやるわよ」って。
