男子校

桐朋中学校

あらゆるシーンで「本物」に触れ、自ら視野を広げ、学びを深める生徒たち

創立75年の桐朋中学校。昨年完成した新校舎では、自ら学び、共に自立し、未来への扉を開く「次の学びプロジェクト」が進行中だ。創立以来培ってきたアカデミズムは、生徒たちに引き継がれ、進化していく。

原発は日本の未来に必要か 両サイドに立つOBを招いて学ぶ

 授業はもちろん、クラブ活動や委員会活動、学校行事など、あらゆるシーンで徹底的に「本物を求める」のが桐朋イズムといえるだろう。
 例えば中3の修学旅行。4泊5日の東北への旅の今年のテーマは「震災と復興」。このテーマを学ぶ時、福島の原発問題は避けて通れないものの一つだ。桐朋では、修学旅行前に反原発の立場で東電株主代表訴訟の原告側の弁護団長を務める河合弘之氏の講演会をセッティングした。また、修学旅行先では復興事業に従事する東京電力の川瀬太郎氏にレクチャーを依頼した。学校という公的な場で、ある一方の立場の講演を組むのは、実は簡単なことではない。生徒の保護者にはさまざまな立場の方がいるからだ。だが、桐朋では講演者がいずれも同校のOBということもあり、こういった講演をスムーズに開催できる。「保護者の皆様も、偏りなく広い視野のもとで本物に触れさせるという本校の方針をよく理解してくださっています」と修学旅行を担当した上原隼教諭はいう。生徒は本物の意見や思いに触れ、しっかりと向き合い、そこから自分の意見を形成していく。

部活動でとことん発揮される 生徒の好奇心と探究心

 昨年、桐朋の新校舎がすべて完成した。40人の部員を抱える地学部の生徒たちを喜ばせたのは、最新鋭のデジタル式プラネタリウム、そして天文台に導入された口径40センチの反射式望遠鏡。「プラネタリウムは、デジタル式でプログラムは自由に組めるようになったけれど、以前の光学式の方が、星の映像はシャープで本物っぽかった」と高3の宮本さん。こういう批評が桐朋生らしい。宮本さんは、小学生の頃から鉱物に強い関心があり、地学部の仲間をたきつけ、5人のメンバーで東西中高交流砂金掘り大会、通称「砂金甲子園」に出場し優勝した。この大会は「比重選鉱法」という金の採取方法を競技として行うもので、砂の中に混入された砂金の粒を、パンニング皿という専用の皿を用いて見つけ出す競技だ。「早くやろうとすると砂金を正確に拾えない。仕組みを理解した上での練習が不可欠なんです」と宮本さん。今年は宮本さんが技術を直伝した高2の宮原さんをリーダーに、2年連続優勝を果たした。
 砂金甲子園にもメンバーの1人して出場した高2の小道さんは、JAXA筑波宇宙センターで行われたモデルロケット全国大会ではリーダーとして活躍、チームを総合優勝に導いた。「1発上げるのに500円かかるので、空気抵抗を少しでも無くすために紙ヤスリをかけたり、ゆがみを修正したりと打ち上げ前に手間を惜しまず調整したのが良かったと思います」と小道さん。設計を担当した高1の清水さんは地学部の現主将。「地学部はもちろん、うちの学校は理科好きが多く、理系離れなんてウソだろうと思う」と笑う。

地学へ、宇宙へ、数学へ 自ら学問への扉を開ける

 部活に打ち込んでいる彼らが、大学でどんなことを学びたいのか聞いてみた。「もちろん好きな地学を研究したい」という宮本さん。天文学に関心がある小道さん、物理・化学がおもしろくなってきたという清水さん。宮原さんは、「大学では数学か、機械工学を学びたい。地学は一生の趣味にしたいと思っています」。
 同じ経験を経ても、それぞれ異なる学問への扉を自ら開ける桐朋生。彼ら一人ひとりが、アカデミズムの伝統を受け継ぎ、進化させ、未来へとつないでいくランナーなのだ。

School Data

桐朋中学校
最寄駅名 国立 谷保
URL http://www.toho.ed.jp/
大学合格実績 東京、京都、一橋、東京工業、北海道、東北、大阪、神戸、九州、東京医科歯科、東京外国語、東京藝術、旭川医科、札幌医科、防衛医科、防衛、航空保安、慶應義塾、早稲田、上智、国際基督教、東京医科、日本医科、東京慈恵会医科、東京理科など
学校基本情報 創立年(西暦) 1941年
併設校 〈桐朋学園男子部〉 桐朋学園小学校、桐朋高等学校
生徒数 (1年)257人
クラス編成 42~43人
男女比
授業時間 8:30~15:10(水のみ16:10) (土)~12:35
海外交流校
帰国生特別入試
中高6年間費用 400万円台後半
交通情報 国立駅(JR中央線)徒歩15分、 谷保駅(JR南武線)徒歩15分
所在地 〒186-0004 東京都国立市中3-1ー10
TEL 042-577-2171