女子校

鷗友学園女子中学校

〝白熱授業〟から見えてくるのは、深い思考力と洞察力を育成する教育

中3の現代社会で行う研究発表の授業。生徒たちが取り上げるテーマは、差別と異文化理解、戦争と歴史、生命とは何か、女性と男性など、深い洞察力が求められるものばかり。授業の様子から垣間見える、鷗友生の真の実力に迫った。

興味のあるテーマを選定し、小論文にまとめ、発表する

 中3の現代社会では、生徒が興味を持った時事問題について調べ、発表するという鷗友オリジナルの授業がある。生徒たちは新聞記事の抜粋などが掲載された上下巻合わせて355ページに及ぶオリジナルテキストなどを参考にしてテーマを選定。現代社会の問題に深く切り込める内容かどうかを教員と面談してテーマを決定し、夏休みにはレポートを、10月には小論文を仕上げていく。
 この日の授業では、課題の総仕上げとして、3人の生徒が1人15分の持ち時間で発表を行った。「就職問題に負けるな!」をテーマにした生徒は、採用における男女格差や就職氷河期の問題などに言及。「政治家の失言問題から考える政治の捉え方」をテーマにした生徒は、政治家の失言の中の本音を正しく捉え、政治に目を向ける重要性を訴えた。「ふるさと納税の利点と問題点」を研究した生徒は、税制の仕組みをわかりやすく解説するとともに、今後地方分権が進んでいく中での問題点、注目点などをわかりやすく説明。質疑応答では、すかさず何人もの生徒が手を挙げて質問をする。答えを聞いて驚きの声や笑い声が上がったり、質問に対してしどろもどろになった生徒をフォローする生徒もいたりして、授業は終始明るい雰囲気で進んでいく。生徒の中には自らの研究テーマをもっと究めたいという理由で大学選びをするケースもあるという。自主的に調べて発表するという一連の体験が、社会で自分がどう役に立ちたいかを考えるきっかけにもなっているのだ。
 また中2の歴史の授業では、「模擬パリ講和会議」も行われている。これは第一次世界大戦の講和会議を追体験するための学習で、3~4人の各チームが各国代表となって、それぞれ非公式会議での交渉や公式会議での演説を経て採決を行うという取り組み。激しい議論も交わされ、模擬とは思えない白熱した会議となるという。
 このように物怖じせずに人前で発表し、質問し、議論する姿勢は同校ではよくある光景だが、これは中1での少人数クラス編成や、3日に1度の席替えなど、生徒間の活発な議論を生み出す学校側の巧みな仕掛けが功を奏した結果といえる。また、「小声でつぶやいた生徒の発言を取り上げたり、授業が終わってから質問しに来た生徒に次の授業でその内容を話してもらうなど、発言しやすい雰囲気づくりを心がけている」(村田祐子教諭)というように、教員全員が「物怖じさせない空気感」を作り出しているのだ。

活発な議論を通して、世界に羽ばたく鷗友生

 高校でも受験のための勉強だけにとらわれず、あえて同校ならではの学びを貫いているが、それが大学入試に有利に働くこともある。たとえばICU(国際基督教大学)では講義を聞いてその論点を論文にまとめる新しい形式の入試を採用している。鷗友生は6年間の活発な議論を通して深い思考力と洞察力を身につけているため、こうした形式の問題にもすんなり対応できるという。
 さらに同校では「自分の枠を超え、学校の枠を超え、日本の枠を超え、隣人(となりびと)となれ、世界に羽ばたけ鷗友生」をスローガンに掲げ、入学直後から文法も含めすべて英語で行うオールイングリッシュを採用。一昨年から始まったアイビーリーグの名門イェール大学への12日間の研修は、日ごろ学んだ英語を実際に試す格好の機会となっている。英語でのディスカッションやプレゼンテーションなどかなりハードな内容ではあるが、自発的な勉強会や交流が増え、模擬国連などの学外の活動にも積極的に参加するようになるなど、大きな刺激を受けているようだ。
 このようにすべてを他人事にせず、当事者意識を持って考え、行動する鷗友スピリットは、自主性を育む肥沃な土壌の中で着実に育まれている。

School Data

鷗友学園女子中学校
最寄駅名 経堂 宮の坂
URL http://www.ohyu.jp
大学合格実績 東京、京都、一橋、東京工業、北海道、東北、大阪、神戸、九州、東京藝術、東京外国語、東京学芸、東京海洋、電気通信、東京医科歯科、筑波、横浜国立、お茶の水女子、札幌医科、浜松医科、国際教養、防衛医科、早稲田、慶應義塾、東京理科大、上智、国際基督教、自治医科、東京医科、日本医科、東京慈恵会医科、カリフォルニア、ブリティッシュコロンビアなど
学校基本情報 創立年(西暦) 1935年
併設校 鷗友学園女子高等学校
生徒数 (1年)243人
クラス編成 30~31人
男女比
授業時間 8:30~15:20 (土)~12:40 (11~3月)8:30~14:50 (土)~12:20
海外交流校
帰国生特別入試
中高6年間費用 500万円台前半
交通情報 経堂駅(小田急線)徒歩8分、 宮の坂駅(東急世田谷線)徒歩4分
所在地 〒156-8551 東京都世田谷区宮坂1-5-30
TEL 03-3420-0136