女子校

女子学院中学校

「礼拝」の時間と「聖書」での学びが、リベラルアーツ教育の礎をつくる

知識がないことによる不自由さから自由になる、真のリベラルアーツ教育を徹底することにより、社会で活躍する自立した女性の育成をめざす女子学院。キリスト教精神を大切にする同校において、礼拝の時間や聖書の授業が果たす役割を探った。

多様性に触れることにより、自分自身の自己改革を推奨

 女子学院の一日は朝の礼拝から始まる。全校生徒と教職員がともに讃美歌を歌い、祈りをささげ、聖書の語る真実に耳を傾けながら沈思黙考する。礼拝は自己と向き合う貴重な時間である。
 風間晴子前院長は「自分とは違う考えや異質な文化に触れることができる礼拝は、自分自身を再確認する時間でもある」と語る。自分の考えを言語化し、異なる考えに触れることの重要性を強調する風間前院長は、多様な価値観をもつ人とディスカッションすることによって、積極的に自己改革できる人間に育ってほしいと考えているのだ。
 風間前院長が大切にするリベラルアーツ教育は、様々な教養をアクセサリーのように身につけることではなく、知らないことによる不自由さから解放され、自分自身の新しい価値観や見解で物事が見えるようになることだと語る。例えば英語を話せないことによってコミュニケーションができないなどの不自由さから解放されることであり、だからこそ自ら学ぼうとする姿勢が大切なのだ。

世界への視野を広げ、人生の指針となる「聖書」

 女子学院では授業の科目の一つとして「聖書」がおかれている。中1から高3まで週1回のペースで授業があり、定期試験も実施する。中1の「キリスト教入門」では、キリスト教の基礎知識を学ぶことからスタート。その後、「新約聖書」「旧約聖書」を各年次で学んでいく。
 聖書科の魚屋義明教諭は、「聖書の授業は単なる宗教教育と捉えられがちですが、キリスト教を信じさせる意図はありません。宗教の学びを通して世界への視野を広げ、物事の真実を見極める際の客観的な視点、自分の軸となる立ち位置を見つけてもらえれば嬉しいのです」と語る。
 中学でキリスト教の基礎知識をひと通り学習したのち、高校では歴史や他宗教、ヨーロッパの思想などと絡め、より客観的、相対的な立場から知識を深めていく。高1の授業で「キリスト教の歴史」に話が及ぶと、生徒たちは世界史で教わった「古代ヨーロッパ史」の内容と似ていることに気づくという。キリスト教の歴史を学ぶことは、すなわちヨーロッパの歴史の源流を紐解くことにもつながっていくのだ。高2の授業では、アウシュビッツについて描かれた、フランクル著『夜と霧』を題材にして宗教の本質に迫っていく。ここでは本物の宗教がある一方で、偽物の宗教が存在することも伝える。人生を狂わせるような宗教は本物ではないと、はっきり伝えるという。
 「聖書の知識を身につけることは、西洋哲学や文化の本質、イスラム教、仏教など他宗教を理解することにも役立ちます。同時に、世界で起きている紛争やテロリズム、貧困などさまざまな社会問題の本質を探るうえで一つの指針(ものさし)になります。聖書を学ぶことによって体得した〝自分自身のぶれない指針〟は、周囲に流されずに自ら考え、判断し、選ぶ力を養うことにもつながっていくのです」(魚屋教諭)。
 卒業生の中には、国連高官をはじめ、女性初のヨーロッパ三大北壁登攀者や航空整備士、報道カメラマンなど多くの女性パイオニアが存在する。このような活躍の背景には、自己実現ではなく、他者に仕えることをめざす教育理念と、礼拝や聖書を重んじる同校ならではの教育が色濃く反映しているといえるだろう。

School Data

女子学院中学校
最寄駅名 麹町 半蔵門 市ヶ谷 四ッ谷
URL http://www.joshigakuin.ed.jp/
大学合格実績 東京、京都、一橋、東京工業、北海道、東京外国語、東京学芸、東京医科歯科、東京農工、東京藝術、お茶の水女子、横浜国立、横浜市立(医)、防衛医科、早稲田、慶應義塾、上智、国際基督教、自治医科、東京医科、東京女子医科、東京慈恵会医科、昭和(医)、順天堂(医)、北里(医)、東京理科など
学校基本情報 創立年(西暦) 1870年
併設校 女子学院高等学校
生徒数 (1年)240人
クラス編成 45~48人
男女比
授業時間 8:40~15:10
海外交流校
帰国生特別入試
中高6年間費用 500万円台前半
交通情報 麹町駅(東京メトロ有楽町線)徒歩3分、 半蔵門駅(東京メトロ半蔵門線)徒歩6分、 市ヶ谷駅(JR中央線、都営新宿線、東京メトロ南北線)徒歩8分、 四ッ谷駅(JR中央線、東京メトロ南北線・丸ノ内線)徒歩13分
所在地 〒102-0082 東京都千代田区一番町22-10
TEL 03-3263-1711